元彼の“今”と彼らの妻への嫉妬
そんなある日、奈緒は買い物のため銀座まで足を運び、東急プラザ銀座にある『数寄屋橋茶房』に入った。
(※『数寄屋橋茶房』は、現在閉店しております)
ビールを一杯頂くことにして、SNSパトロールを開始する。
すると、衝撃的な投稿が奈緒の目に飛び込んできた。
2年前に付き合っていた元彼が、結婚していたのだ。
「また、結婚した……」
奈緒は思わずつぶやいた。そして、自分の男運の悪さを呪わずにはいられなかった。
雄一郎も含めて、奈緒の元彼たちはなぜか、奈緒と別れて次に付き合った彼女と結婚してしまうのだ。
今まで付き合ってきた男たちも、皆そうだった。
奈緒は、雄一郎のページから新婦が麻衣子という名前であることを知り、すぐさま雄一郎を辿って麻衣子のページを見つけた。
麻衣子は、奈緒と同じく「一般人にしてはかわいい部類」で、女性なら誰もが負けを認める美女でもない。
かつて(一方的にではあるが)結婚も考えた男・雄一郎が、自分と同レベルの女性と結婚したのかと思うと悔しくてたまらず、運ばれてきたビールを一気に飲み干した。もはや、やけ酒だ。
「なぜその奥さんを選んだの?」
「どうして私じゃなかったの?」
「奥さんにあって、私にないものって何・・・?」
外資コンサル、商社マンに外交官、広告代理店勤務に開業医・・・。東京での生活を謳歌するエリートたちと付き合ってきた奈緒。
ー「彼女」にはなれたのに「妻」にはなれなかったのは、なぜだろうか。
ー自分と、あっという間に妻の座を得た女たちとの違いは一体何なのだろうか。
認めたくはないが、何か圧倒的な違いがあるのだと、奈緒は思わずにはいられなかった。
この記事へのコメント
いつまで待てばいいか、ハッキリ言わずに待たされるのは年頃の女性には酷ですよね。