恋愛も結婚も、敢えて家のことは隠してみる
引っ越した途端に、思わぬことが起こった。
「二子玉川に引っ越した途端、モテなくなりました(笑)」
幸一郎の財産目当ての女性の多くは、結婚して“キラキラした”主婦生活を送りたいと望んでいる人が多い。
しかしそのような女性の多くは“二子玉”では不服だそうだ。彼女たちのゴールは港区のタワーマンションか、その界隈の一軒家、および高級低層マンションに住むこと。
そのため、彼女たちの中で男性を値踏みした際に、二子玉川に住んでいる幸一郎の価値は、青山のタワーマンションに住んでいる独身男性より落ちると言う。
「本当に、表面しか見ていない人が多過ぎてびっくりですよ。」
今まで、女性に困ったことはなかった。
しかし池田山に実家があり、そこに住んでいると言うのと、親のことは何も言わず、ただ二子玉川に住んでいると言うだけで、女性はここまで態度が変わるのかと驚く日々が続いている。
「今まで、どれほど親の七光りのもとで、言うならば親の財力に助けられてきたのか痛感しました。」
何故か二子玉川と言うと、“その程度の稼ぎか”と勝手に女性陣の中で計算されるらしい。幸一郎は、最近出会う女性に後継ぎであることは一切明かさない。
流通関係の会社で働いている、とだけは言っているが、出会ったばかりの女性はただの平社員だと思っているそうだ。
「世の中の女性は、本当に偏ったフィルターで物事を見ているんだなぁと最近よく思います。」
そんな幸一郎の目下の目標は、会社のIT部門を更に強化すること。
「偉大な父親は、越せないから。自分らしい方法で、若い力で会社を変えていけることを社員の皆様にも見せ、いつか認めてもらいたい。」
そう話す幸一郎の目は輝いており、どこか楽しそうだった。
◆
世の中には、様々な二世がいる。
親の背中を見て自らを鼓舞する人、親の財産に甘んじ、あぐらをかいて暮らす人。
幸一郎に至っては、若い頃はさておき29歳となった現在では、二世という立場に常に緊張感と責任感を感じながらも、一生懸命会社のために奔走している姿が印象的だった。
そんな彼だからこそ、女性を見る目も自然と厳しくなるのだろう。
しかし東京という、計算高い女性が全国各地から集まる大都会で、幸一郎が身元を隠したまま、理想通りの女性を見つけられる日は来るのだろうか...。
▶NEXT:7月28日 金曜更新予定
いつの間に、こんな差が...同じ二世くんでも分かれる明暗。
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この記事へのコメント
うちの主人も全然説明してくれなくて、結婚して10年くらいは、ずっと渡された金額で文句もなくやりくりしてたら、実は結構財産があって汗
疑い深いのか慎重なのか…涙
今では確かに資産管理を任されてます…