マウンティングの虚像 Vol.18

マウンティングの虚像 最終回:妥当な所で手を打った、34歳の現実


東京の女たちは今日も霊長類のごとく、笑顔の裏でマウンティングを繰り広げている。

だが、一部の女は気づき始めた。 マウンティングは、虚像でしかないことを。

マウンティング世界の向こう側を、覗いてみたくはないだろうか。

大手出版社に勤める麻耶(26歳)は、仕事にも本気になれず恋愛も上手くいかない。華やかな世界に憧れるあまり、商社マンの元彼・からヨリを戻そうと提案されても、なかなか踏み切れずにいた。

最終回の今週は、34歳になった麻耶が一体どのような生活を送っているのかをお届けする。


結局世間の流れには、逆らえなかった


「痛っ。」

慣れないミシンを諦め、針と糸で縫い物を仕上げようとした麻耶は思わず針で指を刺してしまった。左手人差し指の腹に、真っ赤な血が滲む。

麻耶は、荻窪の実家のリビングで独り、可愛らしいプリンセスが描かれたピンクの布を、どうにかカバンの形にしようと奮闘していた。

......


この記事へのコメント

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No Name
これって、ほぼ全ての女性に当てはまる気がする。
マウンティングではなくて、自分の幸せ確認のために他人と比較するって事。
戦いじゃなくて、女性は相対評価しがちな生き物って事。
自分のテリトリーの中での比較だから、東京だからとかじゃなくて、地方は地方での幸せの価値観があって、それを比べあってる。
もちろん嫁の立場、母の立場でも、張り合う事があるって事で…
因みに、比較的田舎の方に嫁にいった私の姑は、娘
にどれだけ豪華な着物(しかも…黒留袖)を仕立てられるかで、近隣と張り合ってました。
肝心の娘は、着物を着るのを嫌がってましたが、
母が娘にどれだけの事をしてあげられるかを、身内の葬式でもアピールの場になるのかと…驚きました。
2018/05/01 04:527

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