未来の老舗候補! いま、期待の鮨屋 Vol.5

スシクオン

すし久遠

"昼下がり、鮨で一献"が叶う場所

※こちらの店舗は現在移転しております。掲載内容は移転前の情報です。

左.見惚れる手技

右上.おぼろを添えた春子、艶やかなヅケマグロ、煮蛤とそれぞれ美しい

右下.白木が基調の設え

店主の野口智雄氏は鮨ひと筋に20余年研鑽を重ね、開業前は『すし匠』系列の月島『すし浅尾』で修業した人物。カウンター周りの設えには『すし匠』のDNAを見る鮨好きは多い。店に飾られた切子の器にもぜひご注目を。カウンターに並ぶ箸置きや酒器も切子。実はこれら全て、硝子作家である野口氏の両親の作品で、空間に粋と華やぎを添えている。

おまかせのコースは、握り10貫程度とつまみ10品を交互に供するスタイル。このつまみがまず旨い。しっとりとしたカラスミの西京味噌漬け、ワサビに鰹節と葱を合わせた薬味で食すイカなど酒飲みを虜にする味だ。握りは小振りで端正。シャリは米の甘みをほのかに感じさせる優しい味で、柔らかく煮た穴子、旨みが凝縮したヅケ鮪など、丁寧な仕事を施したネタとのバランスもいい。客の食べ方に細やかに目を行き届かせながらも、気さくにもてなす野口氏の接客に、鮨屋独特の緊張感は皆無。だが、包丁捌きや握りの美しい所作で客の視線を惹きつけ、いい意味での“張り”が損なわれることはない。

午後3時からという営業時間も特筆すべき点。住宅街という立地上、深夜営業できない分開店を早めたそうだが、開店と同時に暖簾を潜れる好機に恵まれれば、贅沢気分さらなること間違いなしだ。

左.ネタは常時15種前後。サバは三陸、ヒラメは青森、穴子は大分や長崎で揚がるものと、魚種ごとに産地を見極め仕入れる

右.シマアジの琉球。白胡麻が香ばしい

左.〆加減が絶妙なコハダ

右.車海老や穴子は半分をツメで、半分を塩で。塩で供する穴子には山椒と柚子の香を添えて

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