結婚して家を買い、そして子どもを授かる。
今まで「幸せ」だと信じて疑わなかったもの。
しかしそれを信じて突き進んでいくことが、果たして幸せなのだろうか?
外資系化粧品会社でPRとして働く祐実、29歳。
結婚後豊洲に移り住んだ彼女は、水天宮に参拝した帰りに人形町に立ち寄り、ある思いに駆られ、悩み始める。これは東京でもがき苦しむ女性の、人形町を舞台にしたある物語―。
結婚生活3年目。水天宮へお参りに行った祐実に、妊娠の兆候があった。
―もしかして、妊娠…?
iPhoneのアプリで確認すると、毎月のそれはもう1週間ほど遅れていた。
体中が心臓の音で波打ち、祐実はベッドから出た。その感情は、自分でもまだ経験したことがないものだった。
しかしこの月曜の朝8時にすべきことは、ただひとつ。
......
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