それも1つのLOVE Vol.8

それも1つのLOVE:23時過ぎ。「今から逢おう」衝動的に口にした男の、胸の内

それもまた1つのLOVE。

愛してるとは違うけど、愛していないとも言えない。

あなたの身にも、覚えはないだろうか…?

浜松の公立高校を卒業し慶應義塾大学に進学した翔平は、キャンパスでS級美女・衣笠美玲と出会う。洗練された彼女は手の届かない高嶺の花だったが、いつしか“特別”な関係となるのだった。

しかし美玲は突然、婚約を宣言する。それにも関わらず彼女は翔平を自宅に誘い、ふたりは一線を超えてしまう

やっと手に入れた高嶺の花だったが、見えてしまった彼女の狡さや弱さまでを、翔平は愛せなかった


結婚と恋愛は、別物?


―今日の食事会は、20:00から、ここで。https://tabelog.com...

同期のあきらから届いた社内メールを確認し、翔平は腕時計に目をやった。

18時25分。

今日は特段トラブルがない平和な1日だったから、時間通りオフィスを出られるだろう。

あきらは、翔平が美玲の婚約発表で気落ちしていると思っているらしく、「俺が女呼んでやるから元気出せよ」と2on2の食事会をセッティングしてきた。

彼はこうした食事会をかなり頻繁に開催しており、調子がよければ一夜限りの関係を結ぶこともあるようだ。

しかしあきらには、実は結婚を考えているステディな彼女がいる。

以前「彼女に悪いと思わないのか」と問い詰めたことがあるが、彼はニヤリと不敵な笑みでこう答え、翔平を呆れさせたのだった。

「結婚と恋愛は、まったく別物だよ」

何を、勝手なことを…当時はそう思ったはずだが、その言葉に感じていたはずの違和感が、いつしか薄れていることに気がつく。

それは美玲との一夜があったから、だろうか。

-美玲にとっても、結婚と恋愛は別なのかもしれない。

そんな都合の良い考えが、翔平の心に生まれていた。そして翔平の意志とは無関係に、絶望の淵に芽生えた若葉のように光を放つのだった。

シンガポールと日本を行き来する、医師免許を持つ経営者。ルックスまでスマートだという、美玲の婚約者は、才色兼備な彼女の結婚相手として、誰がどう見てもふさわしい相手だ。

翔平がどう逆立ちしたって、勝てる要素は見当たらない。

しかし、結婚と恋愛は別、なのだとしたら…。

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