私、美人じゃないのにモテるんです。 Vol.7

「ライバルを○○するのは駄目」美人じゃないのにモテる女しか知らない、ある流儀

―美人じゃないのに、なぜかモテる。

あなたの周りに少なからず、そういう女性はいないだろうか?

引き立て役だと思って連れて行った食事会で、全てを持って行かれる。他の女性がいないかのように、彼女の周りだけ盛り上がる。

「クラスで3番目に可愛い」と言われる化粧品会社勤務・莉乃(27)も、まさにそんな女だった。

あるプロジェクトで出会ったデザイナー・健太郎にアプローチをかける、莉乃とモテない美女・陽菜。健太郎との距離を縮める莉乃に対し、つれない返事をされる陽菜。嫉妬した陽菜は、莉乃を邪魔する計画をたくらむ。


莉乃を陥れるべく、動き出した陽菜。


「イベントプロジェクトのことだが、君には、坂上さんとやりとりをする企画業務からはずれてもらう」

課長にいきなり会議室に呼ばれ、言い渡された通告。驚きのあまり、莉乃は目をまん丸に見開いた。

―健太郎さんと、もうプロジェクト準備で関われないってこと…?

「今後君には、イベント参加者リストの整理とか、裏方系の仕事を任せるよ」

「は、はい…」

「じゃあまず、このリストの確認、よろしくね」

参加者リストをどさっと置いて去っていく課長を、莉乃は呆然と見送った。

―なんで…うまく進めていたはずなのに…

ガクン、とイスにもたれかかる。ひざから崩れ落ちるというのはこういう感覚か、とぼんやりした頭で考える。

―もしかして…陽菜さん?

そんな考えが頭をよぎるのと同時に会議室のドアが開き、陽菜が顔を出す。

「あら、莉乃じゃない」

「あ…お疲れさまです、陽菜さん」

「どうしたの、幽霊に会ったみたいに真っ青な顔して。いま聞いたけど、企画業務からはずれたんですって?かわいそう…あんなに頑張ってたのにね。まあ、あとはわたしに任せて?」

髪をかき上げながら、おかしくてたまらない、と言わんばかりの笑顔を向ける陽菜を見て、さっきの疑念が確信に変わった。

「じゃあ、健太郎さんとミーティングがあるから」

手を振りながら、陽菜は笑顔で会議室をあとにした。

カツッ、カツッと、スキップでもしそうな軽やかな陽菜のハイヒールの音が、莉乃の耳にいつまでも響いていた。

【私、美人じゃないのにモテるんです。】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo