マウンティングの虚像 Vol.2

マウンティングの虚像: 赤裸々に教えます。女たちの、SNSマウンティング”匠の技”

嫌われないインスタ投稿の黄金比率とは?


土曜日の午後3時。けやき坂のスターバックスで、期間限定の「サンシャイン マンダリン マンゴーティー」と、読みかけの洋雑誌をうまい具合に配置して、音が出ないように、パシャッ。

せっかくスタバに来たんだから、期間限定の飲み物をアップせずにはいられない。それに、スタバで何かしてる写真は、嫉妬も受けない代わりに手軽で見栄えが良く、「いいね!」以上でも以下でもない丁度いい投稿だ。

1日1投稿せずにはいられないけど、SNSでのお作法も問われてしまう2017年の東京女子にとって、「スタバでくつろぐ私」「かわいい犬とお散歩」「道端のお花キレイ♥」的な毒にも薬にもならない投稿と、本当に自慢したい投稿は7:3の割合で混ぜ込むのが丁度いいと、麻耶は最近実感している。

8:2でもいいかもしれない。

そうすると、不思議と自慢ばかりの投稿よりもバランスの良い画面になるのだ。というか、バランスの取れた人間に見える気がする。

一度はスマホからアプリを削除することでSNS断ちにチャレンジした麻耶だが、自分の華やかな生活を誰かに見せたい!褒めてもらいたい!という気持ちが収まることはなく、わざわざブラウザ経由で投稿してしまい、逆に自分の自己顕示欲の高さを知ることになってしまった。


「私って、なんでこうなんだろう…」

手の平にあるこのスマホから、自由になれない自分にため息をついた。

カリナのマウンティング根性を嫌悪していたのも、見たくなかった自分の自己顕示欲をカリナに投影していたからかもしれない。

自慢ばかりする女と思われて嫌われたくないけれど、自分が華やかな場所で生きているということを周囲にアピールしたくて仕方がない麻耶なりの解決方法は、「自慢投稿比率」を意識的に下げることだった。

そんな自分の「バランスの取れたInstagram投稿画面」を見つめてニンマリする麻耶。

だが、そんなテクニックすら滑稽だと思わされるような女に、麻耶はこの後遭遇することになる…。


NEXT:4月19日 水曜更新予定
マウンティングとは無縁の女に出会い、揺れる26歳の心理に迫る

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