A2:メニューの選び方で分かる、男のクセ
弘樹が指定してきた『トラットリア イル フィーゴ インゴルド』は私の好きなイタリアンのお店の一つでもあった。
「ここのおすすめは骨つきのリブサーロインだから。これは絶対食べて欲しいな。」
こう聞くと、頭の中はもうリブサーロインでいっぱいだ。美味しいに違いない。早く食べたいと、思わず唾を飲み込んだ。
しかし弘樹は意外にも前菜を多く頼み、そして肝心なリブサーロインよりパスタに熱心な様子だった。
「でもせっかくだから一通り食べたいよね。サラダとプロシュート、フリットもいけるかな?魚もいきたいよね。パスタは何がいい?」
よく食べる人は好きだ。
男らしくて、見ていて気持ちが良い。
でもこんなにたくさん頼んだら、一番食べたいものが食べれないのではないのだろうか?
結局お肉を食べる頃にはお腹がいっぱいで、とても苦しかった。
◆
LINEは男性の隠れた性格がよくわかる。弘樹のLINEで、私はずっと気になっていたことがあった。
―この人は、いつになったら本題に入るのだろうか?
食事に誘いたいならば、回りくどく休みの日の過ごし方を聞く前に、単刀直入に言えばいい。
気になっていたなら、4日なんて日にちは空けず、すぐに連絡をくれればいい。
レストランでも、メインディッシュを軸に他のメニューを考えればいい。
この人は、ずっとこういう人生を生きてきたのだろう。慎重に回り道をして、結果的に一番大切なものは逃す。
アラサー未婚女子にとって、時間は宝だ。
回りくどさなんて要らない。女は、多少わかりやすくて少し強引なくらいの方が簡単に落ちる。
弘樹がお手洗いに行っている間に、食事会の翌日に来たLINEをもう一度見直す。
弘樹からのメッセージのすぐ下に、彼の先輩である中岡からのLINEがあった。
女は好意を抱いてくれている人になびく。まだ返していなかったこのLINEに、返信を打った。
お手洗いから戻ってきた弘樹を笑顔で迎えるが、心はもうここにあらずだ。
きっと、明日「楽しかったです!」と御礼LINEをしたら、もう会うことはないだろう。
心の中で、弘樹のLINEのやり取りを思い出しながら、デザートを注文した。
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この記事へのコメント
中岡さんとも、マメにやり取りしていたのかな?