二人の男で Vol.8

知ってしまった、愛する婚約者の裏の顔。一途な独身男がまんまとハマった、狡猾な罠

愛するか、愛されるか。

東京の賢き女は愛されることを選び、愚かな女は愛を貫くというのは、本当だろうか。

堅実な優しい男と、危険な色香漂う男。

麗しき20代の女にとって、対極にある“二人の男”の間で揺れ動くのは、もはや宿命と言える。

そんな彼女の苦しみが、貴方には分かるだろうか。

主人公の詩織・29歳は、年下の男・正男と婚約中だが、年上の男・英一郎との道ならぬ恋にのめり込んでいく。そんな密会現場を偶然目撃したサキは嫉妬に燃え、正男への告げ口を決意した。


―自分の手の中に、一人の女の運命が握られている。

そんな風に思うと、サキはつい気分が昂り、口元が厭らしく緩んでしまう。

いくら詩織という女が美人とはいえ、昨今の東京では、アラサー女が理想の結婚に辿り着くのは決して簡単ではない。

あの女がどんな心づもりで他の男と会って......


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