二人の男で Vol.7

彼の婚約者がCAなんて許せない。屈辱と嫉妬に満ちた、見向きもされない女の闇

愛するか、愛されるか。

東京の賢き女は愛されることを選び、愚かな女は愛を貫くというのは、本当だろうか。

堅実な優しい男と、危険な色香漂う男。

麗しき20代の女にとって、対極にある“二人の男”の間で揺れ動くのは、もはや宿命と言える。

そんな彼女の苦しみが、貴方には分かるだろうか。

主人公の詩織・29歳は、年下の男・正男と婚約中だが、年上の男・英一郎との道ならぬ恋に、どんどんのめり込んでいく。そして、正男の同僚のサキに、英一郎との密会現場を目撃されてしまった。


「理性を失った詩織も、可愛いね」

英一郎は詩織の耳元で囁きながら、これ以上ないくらいに優しく髪を撫でる。彼の掌がゆっくりと上下するたびに、詩織はどんどん頭がおかしくなっていくようだ。

こんな女の扱い方は、年下の正男には決してできない芸当だった。

「これからも、会ってくれる?」

とても、首を横には振れなかった。

英一郎と偶然に表参道の道端で再会してしまったときは、すでに感情に歯止めが効かない状態に陥っていた。彼はそんな詩織を、乃木坂のマンションの一室に連れ込んだのだ。

「ほとんど物置になってる部屋だから、ゆっくりして」と英一郎は言ったが、とても物置には見えない、ちょっとした高級ホテルのような部屋だった。

詩織は質問には答えず、英一郎の胸に顔をうずめてみる。

正男と結婚しても、英一郎とこんな風に会い続けることは可能だろうか。そんな狡い考えが、詩織の頭の中をぐるぐると独占していた。

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