二人の男で Vol.6

結婚は女の「逃げ道」に過ぎない。感情より条件で男を選ぶ、賢い女になれたら

愛するか、愛されるか。

東京の賢き女は愛されることを選び、愚かな女は愛を貫くというのは、本当だろうか。

堅実な優しい男と、危険な色香漂う男。

麗しき20代の女にとって、対極にある“二人の男”の間で揺れ動くのは、もはや宿命と言える。

そんな彼女の苦しみが、貴方には分かるだろうか。

主人公の詩織・29歳は、年下の男・正男と半同棲中の平和な生活を送っているが、年上の男・英一郎に口説かれ、気持ちが傾きはじめる。危険を察知した正男は、詩織に突然のプロポーズしたが...?


―私、本当にまーくんと結婚するのかな......。

詩織はホテルのベッドの中でうずくまり、一人眠れない夜を過ごしていた。

今日はフライトでホノルルに来ている。青い海もアラモアナセンターもすぐ目の前だが、詩織はチェックインの後は一歩も外に出ることなく、一日中部屋に引きこもっていた。

正男の突然のプロポーズを、素直に喜べない自分が憎かった。

それに、これまで結婚という言葉を簡単に口にしていた彼ではあるが、まさか指輪まで用意しているとは想定外だった。

よりによって、他の男と一夜を過ごした翌日に。

そのとき詩織は、驚きと罪悪感で言葉を発することができず、様々な感情が交錯した結果、目に涙を浮かべることとなった。

正男はそれを“YES”の意味と受け取ったようで、詩織をきつく抱きしめ、「一生大切にする」と、同じく涙声で囁いたのだ。

漠然と考えていた「結婚」という儀式が、明確な形を帯びて、重く詩織にのしかかる。

これから一生、自分は正男の良き妻として機能するのだろうか。それは果たして、自分の望んでいる未来なのだろうか。

しかし少なくとも、詩織はたった半年余りの正男との付き合いの中で、不実を働いた女であることだけは間違いなかった。

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