私、港区女子になれない Vol.9

私、港区女子になれない:「あの子だけは嫌」港区女子の分不相応さを許せぬ、高学歴女

港区女子。

それは“女”としての魅力を最大限に利用し、したかに生きる女たち。

一方、東京では高学歴やキャリアを武器に、自立して生きる女性たちは口を揃えてこう言う。

「私、港区女子になれない」

慶應義塾大学卒、大手広告代理店勤務の篠田涼子(29)もそのうちの一人。 彼女の目の前に、典型的な港区女子・香奈が現れる。

香奈は涼子の大学時代の元カレ・洋輔に接近。2年間不倫関係にあった倉田と別れ、すぐに洋輔の家で同棲を開始

傷心の涼子に、大学の先輩・麻美が、IT企業を経営するイケメン・小林誠を紹介してくれたが、彼の意地悪な発言に涼子は憤慨するのだった。


高学歴女も港区女子も結局、同じ女。


“それにしても、小林誠、イケメンのくせに性格悪すぎ!”

誠とデートした翌日。

二日酔いでがんがんする頭を通勤電車の扉に預けながら、涼子は誠を紹介してくれた大学サークルの先輩・麻美にメッセージを送る。

勢いに任せて、LINEキャラクターのブラウンが燃えているスタンプも、2つ連続して押した。…もちろん、きちんと御礼の言葉を述べた後で。

「ダメだよ。都合の良い時だけ、女出してくるのは。」

そう言った時の、勝ち誇ったような誠の顔。

―ああ、悔しい…。

高学歴女は言い負かされることに慣れていない。自身の論理矛盾を突かれて言葉に窮するなんて、プライドが許さないのである。

しかし、誠に急所を突かれ、気づいたのもまた事実だった。

「女を武器にも言い訳にもしたくない」などと大見得を切ってみても、結局涼子も、男性から“女”として扱われないと不満に思うのだ。

ドレスアップしてきた自分を褒めて欲しいし、会話はエスコートして欲しいし、食事は当然の如くご馳走して欲しい。

そこまで考えて、涼子は自分で自分がよくわからなくなる。結局、私も本質的には香奈と何も変わらないのかもしれない。

―いや、でも違う!

涼子は、メトロの通路を歩きながらぶんぶんと首を振る。

私は香奈みたいに、男の愛を利用して金品を貢がせるような真似はしない。100万を優に超えるバーキンを買わせたり、絶対にしない。

私が求めているのは「分相応の対価」であって、香奈とはそこが、決定的に違うのだ。

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