いい女の条件 Vol.4
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  • いい女の条件:デート中に、昔の男を想う。目の前に見える彼は“ちがう”のサイン...?

    30歳のバレンタインの日。

    丸の内の大手商社で総合職として勤める杏奈は、仕事に邁進するあまり彼と別れてしまう。

    整ったルックスと冷静な仕事ぶりに、いつも「いい女」と言われる杏奈だが、失恋を機にふと立ち止まる。

    ―本当の「いい女」って…?

    杏奈は、8年付き合った剛にフラれ、気分転換に同期会に参加。今まで意識していなかった光司に優しくされ、気になる存在になる。

    しかし、会社の先輩・葵と行った料理教室の帰り道、「昔、光司と付き合っていた」という衝撃の事実を知らされた。


    ―光司君と付き合っていたの。

    葵が付き合っていた相手は、杏奈が少し気になっていた同期・光司だった。

    杏奈は今日、その光司と食事の約束をしている。待つ間、葵のことばかり思い出してしまう。

    ―付き合っていたのは1年くらいでね、結婚も考えていたんだけど、すれ違いが続いちゃって…。



    「乾杯!」

    今日約束していたのは、西麻布の『Crony』。光司と2人きりで食事するのは初めてなので、少し緊張する。

    「…でさ、先週ブラジル出張行ったんだけど、これがもう謝り倒しで。もう汗だくだったよ」

    出張の話をする光司の横顔を見ながら、ふと思い出す。

    杏奈もこんな風によく、出張でのできごとを嬉々として剛に話していた。

    「剛、あのね。今日出張先でね…」

    この8年の間、何度「剛、あのね」と言っただろうか。

    デート中に昔の男を思い出す。それは目の前にいる人が“ちがう”というサインだ。杏奈は、残りかけのワインをぐっと飲み干した。

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    いい女の条件

    「お前見てると、何か疲れる」

    30歳のバレンタイン、結婚を考えていた彼から言われた一言だった。

    総合商社に勤める杏奈は仕事に邁進する余り、彼とのすれ違いが続いてしまう。

    整ったルックスと冷静沈着で隙を見せない仕事ぶりに、いつも「いい女」と言われる杏奈だが、失恋を機にふと立ち止まる。

    ―本当の「いい女」って…?

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