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  • いい女の条件 Vol.1

    いい女の条件:最悪なバレンタイン。私が目指す「いい女」は彼から見ると間違いだった?

    「お前見てると、何か疲れる」

    30歳のバレンタイン、結婚を考えていた彼から言われた一言だった。

    丸の内にある大手商社で総合職として勤める杏奈は、仕事に邁進するあまり彼とのすれ違いが続いてしまう。

    整ったルックスと冷静沈着で隙を見せない仕事ぶりに、いつも「いい女」と言われる杏奈だが、失恋を機にふと立ち止まる。

    ―本当の「いい女」って…?


    30歳で迎えた、人生最悪のバレンタイン


    「いつも仕事優先だな。お前見てると、何か疲れる」

    2月14日のバレンタイン。部屋でパスタを食べているときに、8年付き合った彼・剛から言われた一言だった。

    それを言われた途端、悲しみと同時にこんな状態にしてしまった自分への、悔しさが込み上げてくる。

    総合商社の食料品を扱う部署で働く杏奈だが、最優先事項はいつも仕事だった。元々責任感が強く生真面目な性格で、それに加えて今年はタイにある食品スーパーの買収が決まり海外出張が続いていた。

    仕事で会えない日々が続き、お互いの気持ちは徐々に離れていった。だからこそ今年のバレンタインは何とかやりくりをして、剛の家で手作りディナーを楽しもうと思っていた。

    …しかし、不運とは重なるものだ。

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