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  • いい女の条件 Vol.3

    いい女の条件:気になる同期の元カノは、憧れの先輩!?社内恋愛の思わぬ罠

    「お前見てると、何か疲れる」

    30歳のバレンタイン、結婚を考えていた彼から言われた一言だった。

    丸の内にある大手商社で総合職として勤める杏奈は、仕事に邁進するあまり、彼とのすれ違いが続いてしまう。

    整ったルックスと完璧な仕事ぶりに、いつも「いい女」と言われる杏奈だが、失恋を機にふと立ち止まる。

    ―本当の「いい女」って…?

    杏奈は、バレンタインデーに8年付き合った彼・剛にフラれる。久しぶりに同期会に参加すると、ただの同期だと思っていた光司に優しくされ、意識する。その後会社の先輩・葵も、落ち込んでいた杏奈を励まそうと、料理教室のイベントに誘う。

    女心に染みる「分かってくれる人がいる」という安心感


    月末最後の金曜日、初めてのプレミアムフライデー。葵に誘われた料理教室のイベント、『プレミアムクッキングスタジオ』に行く予定だった。

    「…杏奈は頑張り屋だもんな。もっと甘えたらいいのに」

    葵との待ち合わせ場所に行くまでの間、光司のその一言を心の中で何度も反芻していた。分かってくれる人がいる、それだけでこんなに心が軽くなるとは思ってもいなかった。社内恋愛は絶対イヤだと思っていたのに、あれ以来、光司を少し意識してしまう。

    「杏奈、こっちだよ」

    考えごとをしながら待ち合わせ場所に着くと、葵はすでに車を停めて待っていた。葵が最近買った、お気に入りの真っ赤なクルマ。運転席に座る葵は、普段に増して凛々しく見える。

    落ち込んだ杏奈を見かねて、葵は気分転換にと誘ってくれたのだ。その優しさに光司の言葉と同様、胸がいっぱいになる。

    「よし、じゃあ出発ね」

    葵は手馴れた様子で、宝石のような赤いシフトノブを下ろしアクセルを踏む。女二人、 ドライブの始まりだ。今日のイベント会場である、プライベートヴィラを目指す。

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