いい女の条件 Vol.3
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  • いい女の条件:気になる同期の元カノは、憧れの先輩!?社内恋愛の思わぬ罠


    葵の運転はとても快適だった。

    葉山へのドライブ、窓から広がる海沿いの街。

    非日常的な空間の中、普段しないような話で盛り上がる。先輩だから、と遠慮して聞けなかった葵の恋愛話も思いきって聞いてみる。

    すると葵は少し考えたあとに「実は去年、彼氏と別れちゃって」と教えてくれた。

    その話をさらに突っ込んで聞こうとしたとき、目的地である『葉山ファニーハウス』が見えてきた。


    店の前には、美しいオーシャンビューが広がっていた。

    部屋に入ると、中は 赤を基調としたシックな内装で、「素敵!」と思わずはしゃいだ声が出る。いたるところに真っ赤なバラとキャンドルが飾られており、非日常的な空間に一気にボルテージが高まった。



    今日のイベントでは、「作ってあげたい彼ごはん」シリーズで知られるSHIORIさんに、煮込みハンバーグの作り方を教えてもらうことになっていた。


    こんな風に料理できたら、楽しいだろうな…。付き合った当初は、剛にも色んな料理を作ってあげていた。作りたい相手がいれば、苦手な料理も楽しくできるものだ。

    ―料理、ちゃんと覚えたいな。

    「ふっくら焼くコツは、弱火で蒸し焼きにすることです」

    教えてもらう内容を、仕事のときのように熱心にメモを取る。

    生真面目で、何事にも一所懸命取り組む不器用な性格の杏奈。そんな後輩の様子を、横にいる葵は面白そうに見つめていた。

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    いい女の条件

    「お前見てると、何か疲れる」

    30歳のバレンタイン、結婚を考えていた彼から言われた一言だった。

    総合商社に勤める杏奈は仕事に邁進する余り、彼とのすれ違いが続いてしまう。

    整ったルックスと冷静沈着で隙を見せない仕事ぶりに、いつも「いい女」と言われる杏奈だが、失恋を機にふと立ち止まる。

    ―本当の「いい女」って…?

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