五反田ラバー Vol.9

人生、振り返れば、五反田。それは、欲望渦巻く港区で傷ついた港区女子さえ、癒せる街

東京では、初デートの街を五反田にすると女の子から冷めた目で見られることもある。

だが、『おにやんま』のうどんに感動したことをきっかけに、五反田という街のディープさにすっかり虜になり、“五反田ラバー”の布教活動に勤しむようになった男がいる。

雑誌編集者・健太(29歳)だ。彼女の加代が五反田に引っ越してきたことを喜んでいた時、五反田会のメンバー・章吾は、食事会で知り合った港区女子・若菜を五反田に誘った。

五反田を小馬鹿にする若菜に、五反田の素晴らしさをしらしめようと奮闘するも最後に「アハハ😊五反田デートなんて人に言えない」と言われてしまうが……。


「おしょくじがかり」も甘んじて受け入れる


―俺はただの「おしょくじがかり」か、それとも彼氏候補か……?

章吾は考えていた。

若菜から送られてきた「また五反田に行きたいな♡」というLINE。彼女がどんなスタンスでこれを送ってきたのか、章吾にわからなかった。

五反田を馬鹿にする若菜を驚かせたくて、とっておきの店『すし 岩澤』に連れて行ったばかりに「美味しいご飯を食べさせてくれる、おしょくじがかり」として認識されてしまったのか、それとも純粋に会いたいと思われているのか。

―やっぱり、おしょくじがかりだよな……。

「五反田でデートなんて人に言えない😊」と笑いながら若菜は言っていた。そんな港区女子・若菜が五反田に住む自分を恋人候補にはしないだろうというのが章吾の見解だった。

港区おじさんに飽き足らず“ゲテモノ枠”のような立ち位置で、五反田と五反田に住む自分も、若菜のおしょくじがかりリストに入れられたのだろうと、予想をつけた。

そして、たとえおしょくじがかりであろうとも「まあ、いっか」と思わせてしまう魅力が、若菜にはあった。

「どこに連れていくかなぁ」

そうして章吾は、店選びに頭を悩ませることとなった。2回目のデートで案内するべき店。かしこまり過ぎず、1回目とは違う雰囲気で楽しめる店。

迷った章吾は健太と加代に相談することにした。二人は、いつも仲良く五反田デートを楽しんでいる。

「なあ、どこがいいと思う?」

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