五反田ラバー Vol.8

「アハハ😊五反田でデートなんて、人に言えない」。笑顔で語る港区女子の、心変わりとは

東京では、初デートの街を五反田にすると女の子から冷めた目で見られることもある。

だが、『おにやんま』のうどんに感動したことをきっかけに、五反田という街のディープさにすっかり虜になり、“五反田ラバー”の布教活動に勤しむようになった男がいる。

雑誌編集者・健太(29歳)だ。彼女の加代が五反田に引っ越してきたことを喜んでいた時、五反田会のメンバー・章吾は、食事会で知り合った港区女子・若菜を五反田に誘った。

五反田を小馬鹿にする若菜に、五反田の素晴らしさをしらしめようと、奮闘するが……?


美人を口説くときに、一番やってはいけないこと


すべては章吾の計算通りだった。

あの日、健太と加代に相談して、その後も一人でじっくり考えた若菜とのデートコース。

五反田を馬鹿にする港区女子・若菜に、一番効果的なプランだ。

まずは『築地銀だこ ハイボール横丁』へ連れて行き、若菜をどん引きさせる。予想通り、彼女は入店するとまずは戸惑い、次第に無口になりあからさまに不機嫌になっていった。

「もう、私帰る」と今にも言いそうな勢いだった。だが、そこはなんとか章吾のトーク力で持ちこたえた。

4個入りのたこ焼きひとつと、ハイボールを1杯ずつ頼んだが、若菜はあまり箸が進んでいなかった。だが、もちろんこれも想定内。

美人を口説く時に一番やってはいない愚行が、相手を褒めることだ。

美人な女性は「お綺麗ですね」という言葉を聞き飽きている。そんなものは背が高い人に「背が高いですね」と言っているのと同じだ。

それはただの事実を言っているだけで、何の面白みもなければ記憶にも残らない。

だからむしろディスれ。ダメ出ししろ。チヤホヤするな。

これが、章吾の考えた作戦だった。

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