2017年の東京。
その中で、ますます存在感を増すインスタグラム。
煌びやかな女性の愛用者が多いが、1分程度の動画を投稿でき、24時間で消えてしまう「ストーリーズ」の投稿が賑わい始めてきた。
その投稿側と閲覧側、様々な立場の人間の心理に迫ることで、見えてくるものがある。
2017年の東京人たちは「ストーリーズ」を通して、何を感じているのだろうか?
もう会えないけれど。ストーリーズの中でなら、いつだって会える
「もう会えないとわかっていても、マリエのストーリーズに釘付けになってしまうんです」
そう語るのは、慎吾。彼は一時期、マリエと恋人関係(と慎吾は思い込んでいるが、マリエ側からはそうだったとは限らない)にあった、長野出身のごく一般的なサラリーマン。
マリエと別れて1年が経つ。何度かLINEを送ってみたものの、既読スルーにもならなかった。散々振り回された彼女の存在が、自分の中でようやく薄れかけた頃、マリエのInstagramアカウントを偶然見つけてしまったという。
「彼女はSNSに投稿する子だと思っていませんでした。繋がっていなかったけど、Facebookをみても何も投稿していないし、twitterでもそれらしき存在は見つからない。でも、Instagramには広がっていたんです。あの、煌めくようなマリエ・ワールドが」
ストーリーズを見ていると、大きな、潤んだ瞳で彼の目を見つめながら「慎吾ちゃん、次はいつ会える?慎吾ちゃんに会いたいな❤」と囁いてくれた日が、昨日のことのように思えてくるのだという。
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