25時の表参道 Vol.9

25時の表参道:何でアイツばかり評価される?社会人3年目の同期格差と、男の嫉妬

亮「静香さんにはプライベートの連絡先を教えてもらってない」


「静香さんに連絡しても、全く返信がない。」

代々木上原の『ナカガワ』で、ユリに愚痴っていた。彼女と会うのは久しぶりだったが、付き合う相手ではないとお互い分かっているので気楽な関係だ。

「ちょっとさ、このメール見てよ。」

静香さんには、プライベート用の連絡先を教えてもらっていないので、送るのは専ら会社のメールからだ。


--------------------------------------------
TO: shizuka nikaido
件名:【業務外】打ち合わせのお願い

藤堂課長

お忙しいところ申し訳ありません。
今日、軽く飲み行きませんか?
時間は合わせます。

中田 亮

--------------------------------------------

「打ち合わせって…。打ち合わせじゃないじゃん!」
「しょうがないだろ。社内のメールだと、後ろから誰かに見られるかもしれないし。」

スマホの画面を見ながら、ユリが突然真顔になった。


「二階堂?この人、二階堂って言うの?」
「確か、バツイチなんだよ。旦那がアメリカ行って離婚したとか言ってた。メアドは旧姓のままになってるんだな。確かに検索するとき不便だわ。」

訝しげな表情で、ユリが聞いてきた。

「ふぅん…。その人って何歳だっけ?」
「37歳。一回りも上なのに、めちゃ綺麗なの。肌とか艶っぽいし、目が黒目がちでさ。少女みたいな感じなのに色っぽいの。」

メールを何度確認しても、返信が返ってくる気配はない。

「ユリちゃん、今日は飲もうぜ!」

無理矢理自分を奮い立たせ、本日3杯目となるウィスキーを注文した。静香さんが水のようにすいすい飲むのを見て、最近はずっとウィスキーばかり注文している。

―少しでも、彼女に近づきたい。

ユリはそんな俺に「ほどほどにしなよ」と言いながら、同じものを注文していた。

【25時の表参道】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo