チヤホヤされたい東京妻 Vol.4

壊したくないものは、何ですか?チヤホヤされたい妻が設定した、既婚者恋愛のルール

結婚して妻になった途端、女はオンナでなくなるのだろうかー

かつてはあれほど自分を求めた夫も、結婚後は淡白になり、ただ日々の生活を営むパートナーになった。

外見に気を遣い、綺麗な女であろうとしても、褒めてくれるのは同じ主婦ばかり。

そんな中、自身の市場ニーズを確認するべく、既婚者限定の食事会に参加した遥。

そこで起業家の藤田と出会う。初めは相手にしなかった遥だが、マキコ達の勢いに流されて食事の約束をしてしまった。


遥には夢があった。

愛する男を夫とし、可愛い子供を2人育てる。そう広くないけれど手入れの行き届いた庭があり、好みのソファやテーブルで揃えたリビングのある一軒家に住む。

自分の城のようなキッチンにはこだわりのツールやスパイスを揃え、子供達の顔を見ながら彼らの為に食事を作ったり、お菓子を作ってやったりする。

そして、夫が帰宅したら家族で夕食を囲むのだ。

夜は幸せな香りのするシーツに包まれながら夫に愛される生活ー

しかし、遥は今、夫ではない男と食事に行くためのワンピースを選んでいる。

そんな夢を見ていた頃に買ったパステルカラーのアイテムを避けながら、なんとかコーディネートを完成させた。



紗弥香やマキコから言われた通り、遥は人通りの少ない場所に位置する個室があり、かつ美味しいものが食べられる店を相手にリクエストした。

豊洲在住の遥にとって、いくら便利だからといって知り合いの夫婦や読者モデルの友人にばったり会ってしまいそうな、銀座の表通りは避けたい。

だから、藤田が築地の『東京チャイニーズ 一凛』を指定してきた時はすかさずネットで店の場所と、半個室があることを確認した。

食事の誘いを受けてもまだ遥はどこかで踏ん切りがつかずにいたので、後ろめたさを振り払うように自分自身に幾つかのルールを設けた。

いくら相手に惹かれたとしても、決して夫を裏切らない。相手から好かれるのは拒否しないが、自分が相手に溺れそうになったらすっぱりと連絡を絶つ。

そうしてほんの少しだけ、女性として丁寧に扱われる時間を過ごすだけー

遥は「私は世間で騒がれている女のように、道ならぬ恋に溺れたりしないわ」と、自分の考えに満足しながら1人頷いた。

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