二子玉川の妻たちは Vol.5

二子玉川の妻たちは:私は脇役だと、わかっていても。女はみんな、主役になりたい生き物だから

結婚は、女の幸せ。

そう思われがちだが、結婚を手にした後、妻となった女は何処へ向かうのだろうか。

結婚しただけでは満たされない。女たちの欲望は、もっと根深いものだ。

二子玉川のマンションで、夢だったおうちサロンをオープンした由美。しかし同じマンションの最上階にカリスマサロネーゼ・マリが越してきて出鼻を挫かれる。

どうにかしてマリに勝ちたい由美は、雑誌の読者モデルとして活躍するミカに近づく。ミカは最近アロマバスソルトをプロデュースしたり、アロマビューティーライフクリエイト協会を設立したりと活躍目覚ましい。

鼻であしらわれる由美だが、とある作戦を思いついた。


主役女と、脇役女


「それでさ、マリ先生のドレスがまたバブル臭すごくて…!」

土曜日、グランドハイアット東京の『オークドア』で、由美が言葉を選ばず愚痴っている相手は、横浜の女子高時代からの親友・佳奈子である。

10代からの気の置けない友人は、何でも話せて本当に楽だ。スマートな紳士淑女が集うラ......


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