東京イノセントワールド Vol.10

田舎モノ同士くっつけば?東京女の提言に、素直になれない上京組の二人

欲望が渦巻き、誰もが成功を願う街、東京。

この大都会に長く住めば住むほど、大切な何かを失っていく気がしないでもない。

東京の独特な空気に飲まれて心の純粋さを失い、幼い頃に描いていた夢を失い、そして本来の自分らしさも徐々に消え失せていく。

長野県から上京してきた美穂と慎吾。大都会に揉まれながら、東京に染まっていく二人は都会の片隅でイノセントさを失わずにいられるのだろうか?

東京出身のマリエに対してコンプレックスを感じていた美穂と、美穂の長野時代の元彼・慎吾。マリエに惑わされ続ける慎吾だが、後輩・理恵と一夜を過ごしてしまう。だが、美穂はその時慎吾と一緒にいたと嘘をついてしまった。


氷の女王からの連絡は、春の兆しなのか...


—慎吾ちゃん、次のデートはいつにしよう?—

パタリと連絡が途絶えていたマリエから2週間ぶりにLINEが来た。憧れの女性だったマリエ。一度手に入れたと思いきや、いつもどこかへ行ってしまいそうな不安にしか襲われていなかった。

—電話、取れなくて本当にごめん。連絡くれてありがとう。いつでも平気だよ—

マリエから連絡が来たことが嬉しくて、会社のデスクで思わず天井を見上げて笑みがこぼれる。よかった...まだ嫌われてはいないようだ。

「慎吾さん、何か良いことあったんですか?」

一人でニヤついていると理恵から声をかけられ、慌てて姿勢を正した。

「あ、いや、別に...」

あの日以来、気まずくて理恵を避けている。でも、理恵はお構いなしに誘ってくる。大好きな人の前だと空回りして、いつも上手くいかない。でも、少し(言い方は悪いが)どうでも良い女性に限って、凄く好かれて上手くいく。


人生も恋愛も、イージー・ゲームではないようだ。

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