みりんと俺 Vol.2

みりんと俺:彼女に振られた理系SEが、初めて自分で作って成功した料理とは?

半同棲していた彼女が、「他に好きな人ができたの」と言い、俺の部屋を出て行った。

洋服や化粧品など彼女の荷物は、知らぬ間にダンボールにまとめて送られていた。

そんな彼女の気配が98%消えたガランとした部屋で、気を紛らわすために開けた、キッチンの戸棚。

そこにあったのは調味料。料理をしない俺には関係のないものだと思ってた。塩や胡椒は食べる時に使うのでわかる。ただ「みりん」だけが見覚えがなかった。

部屋に残された、みりんと俺。

みりんを見て、料理ができるようになると、何かが変わるかもしれない。そう思ったんだ。

料理を始めようと決意した健太郎。初めての挑戦は…?


健太郎、元カノとの思い出を引きずりながら料理スタート!


半同棲していた彼女と別れて1週間が経った。

今日は日曜日で特に予定もなかったので、溜まった洗濯物を片づけ、テレビを見ながらゆっくりしていた。典子がいたときも大抵こんな感じだったのに、1人だと手持無沙汰で落ち着かない。

今頃、典子は新しい男と一緒にいるのだろうか?いや、まだ付き合ってはいないんだよな。商社マンなんて、ちゃらついた男に遊ばれているんじゃないだろうか。

だめだ、じっとしているとつい典子のことを考えてしまう。いつまでも落ち込んでいちゃだめだ。

―このみりんを使いこなせるくらい、料理の腕を上げてみよう。

所在無げなみりんを見て決意したが、それまで料理なんてしたことがなかったので、何から手をつけていいか全く分からなかった。冷蔵庫には典子が買った食材が沢山残っているので、使い切らなければいけない。

大手飲料メーカー勤務の典子は食に詳しくて、和・洋・中と料理のレパートリーは幅広かった。

―大根と手羽元の煮込みなんて特に美味しかったなぁ…。

出された物を黙々と食べるだけで、「美味しい」の一言も言わなかったことを思い出して後悔した。

じっとしていると、また典子のことを思い出してしまう。

気を取り直し、ご飯を炊いてみることにした。炊飯はスイッチ一つなのだから失敗することはないだろう。

あとは、大根とわかめがあるから、典子がよく作ってくれたような味噌汁にしよう。メインは豚肉があったので、大好きな生姜焼き…といきたいところだったが、自信がなかったので、キムチと一緒に炒めることにした。

このくらいだったら何とか作れるだろう。

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