東洋経済・東京鉄道事情 Vol.35

こんなスマホだらけの世の中でも、愛され続ける「駅の待ち合わせ都内定番スポット」10選

8)上野駅は巨大パンダ像の前で

ガラスケースに入ったジャイアントパンダの像

行き止まり式の地平ホーム15番線の車止め付近に石川啄木が詠った「ふるさとの訛り懐かし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく」の歌碑がある。その隣にベンチがあるので、そこで待ち合わせをすることができる。上野東京ラインの開通後、上野の地平ホームに発着する電車は激減したので、数少ない電車到着時を除けば人影があまりなく、待ち合わせには好適かもしれない。

美術館や動物園などのある上野公園寄りの「公園口」改札を出てすぐの道路を渡ったところに建っている東京文化会館は、昼間の公演がないときは空いている。休館日以外は、エントランスロビーを開放しているので、待ち合わせ場所として重宝する。夕方の開演前は、大勢の人が出入りするので待ち合わせには向かないであろう。

もうひとつは、ガラスケースに入ったジャイアントパンダ像。入谷改札を出ると右手に花屋があり、その先駅舎の出入口付近に鎮座している。その前が広場になっていて、右へ進むといつの間にか線路を横断して上野公園の前に出る。

9)カフェもある東武の浅草駅

東京都内のターミナルの中で唯一JR線が乗り入れていないのが浅草駅。地下鉄2路線とつながる東武鉄道のターミナルだ。手狭な駅構内は常時ごったがえしている。地上出入口からエスカレータに乗ると、目の前が改札口だが、左手にUターンするように進むと、待合室のシートや小さなオープンカフェがある。特急スペーシアやりょうもう、快速電車に乗る前の待ち合わせ場所、時間をつぶす場所として重宝する。

――大相撲観戦の待ち合わせなら…

10)力士のパネルが目印、両国駅

両国駅での待ち合わせには赤じゅうたんのギャラリーも使える

かつて房総方面のターミナルとして賑わった両国駅も、定期的な優等列車の発着がなくなってしまい淋しくなった。それでも、国技館や江戸東京博物館の最寄り駅として、たまに発着する臨時イベント列車や鉄道関連イベントの会場として臨時ホームが賑わうこともある。

臨時ホームへ続く通路は、赤じゅうたんが敷かれ、両側の壁には房総を走った列車などの懐かしい写真が44枚も飾られているステーションギャラリーとなっているので、待ち合わせ場所にも使える(オープン時間は10時から17時まで)。ギャラリー閉鎖時は、改札機手前にある相撲の力士写真パネルあたりが目印となっていいかもしれない。

改札の外は、かつてターミナル駅だっただけあって広々としている。駅舎の出入口あたりに出店が営業することもあるので、それを冷やかしながら待つのも楽しい。

著者
小佐野 景寿:東洋経済 記者

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