慶應内格差 Vol.1

慶應内格差:エリート街道を歩むメガバンカー、どんなに背伸びしても所詮外部生?!

就活中、沙羅と原田くんは同じ外銀でインターンをしていたことをきっかけに仲良くなった。2人で一緒に働けたらいいな、なんて想像も膨らませていた。

しかし、いざ面接が始まると、彼は結局1つも外銀からの内定を獲得できず、メガバンクへ。世間から見たらエリート街道。しかし、外銀に無事就職した沙羅からするとなんとなく気まずい相手に。気付いたら自然と会うこともなくなっていった。

ー原田くん元気かな。ー

少し会ってみたい気分になり、返信はコメントではなくLINEでしてみた。

ー久しぶり!ピレネーっていうお店おすすめだよー!原田くんもきっと気に入ると思う☺️ー

このLINEをきっかけに、やり取りが続き、久しぶりにご飯でもしようかと5年ぶりに会うことになった。


原田「初めて海外出張に行ったんだ!」沙羅「...」


彼が選んだお店は白金高輪の『タランテッラ ダ ルイジ』。たまに上司も連れて行く、お気に入りのイタリアンとのこと。沙羅は行ったことのない店に心躍った。

当日、待ち合わせの5分前に連絡すると、すぐに駅に迎えに来てくれた。

「お店の場所少し分かりにくいんだよね〜」

そう言いながら、スマホを頼りにお店を探す彼。

「もう少し行き慣れてるところにすればいいのに」

不器用さは学生時代から変わってないなと思いながらも、変わらない彼が可愛く思えた。

会話は主にお互いの近況報告に。

「仕事は帰り遅いけど、ようやく後輩もできて余裕ができた感じかな。今週初めての海外出張でシンガポール行ったんだよ。観光もできたし、クライアントと食べた中華も美味しくて最高だった。」

目をキラキラさせ楽しそうに話す彼。

シンガポールには沙羅の会社のアジア拠点があるため年に4回以上は出張する。ちょうど夏に行ってきたところだった。

「シンガポール、わたしも大好きなの!チャーターボックスっていうお店のチキンライスが美味しいんだよね!今回マンダリンに泊まったなら食べたんじゃない?」

「ふ〜ん、そうなんだ。ご飯は全て上司に任せてたから、全然知らないんだよね。」

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