代々木上原の女 Vol.7

大切なのは「自分らしさ」の取捨選択。28歳の元港区ガールが代々木上原生活で取り戻したもの


埼玉県出身のユリ、28歳。大手損害保険会社でエリア総合職として勤務。

港区から抜け出し、代々木上原という地で、迷い、葛藤しながら自分らしさを取り戻す。

元彼・聡からの連絡でヨリを戻し、久しぶりに港区に足を踏み入れるユリ。しかし、ある日代々木上原在住の二階堂に、代々木公園デートに誘われて…?


二階堂からデートに誘われ、後ろめたさを感じるユリだったが…?


「12時に代々木公園で」と言われたが昼食はどうするのだろうか。二階堂にLINEをすると、すぐさま返信が来た。

「俺が絶品サンドウィッチを買ってくるから大丈夫!」

公園でサンドウィッチ。軽いピクニックのようだ。南麻布からこのエリアに引っ越してもう1年以上経つ。隣駅の代々木公園には、あまり足を運んだことがなかった。

公園でのんびり休日を過ごしてみたい、という願望はずっとあった。「今度聡と一緒に行こう」と思っていたが、多忙な聡と週末に昼間から会う時間が取れないので諦めていた。土日のどちらかは仕事をしているし、ゴルフに行くことも多い。

聡は徹底した効率主義で無駄を嫌う男だ。健康管理にとても気を遣っていてどんなに忙しくてもジムでのトレーニングは怠らないし、基本的に移動はタクシー。家事も業者に頼んでいるようで、「お金で時間を買う」タイプだ。家も行きつけのレストランもジムも、全て会社に近い六本木エリアだ。

そんな中でもユリとの時間を捻出してくれているのであまりワガママは言えない。そもそも、いつも綺麗に磨き上げられた革靴を履く聡と「公園で散歩する」なんて想像がつかない。

「結婚を前提にやり直してくれないか」

聡にはそう言われている。もし結婚したら、「休日のんびり公園デート」はないだろう。二階堂の誘いを受けたことに後ろめたさはあったが、彼は代々木上原会で知り合った、ただの友だちだ。そう言い聞かせた。

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