東京いい街、やれる部屋3 Vol.4

代々木公園在住の外資系IT企業勤務の彼。セルジオロッシを履く男のこだわりの部屋とは?


「俺の部屋に来ない?」

ラグジュアリーブランドのPR、という強く見られがちな外見とは裏腹に、押しに弱いレイナ、28歳。学生時代から付き合っていたシンジと、1年前に別れたばかり。

自由の身になった彼女のスケジュール帳はデートの予定で次々と埋まっていくが、皆なぜかレイナに自分の部屋を見せたがる。

「部屋を見れば、その人の全てが分かる」とはよく言ったものだが、レイナは男たちの選ぶ街と部屋を見ることで、次第にその正体を知っていくことになる。

これまで出会ったのは、広告プランナーで中目黒在住の修二と、3カ月で別れてしまった西麻布在住の健太。元彼のシンジと過ごした上野での思い出に浸っているときに出会った男は…?


「間に合わせのインテリアは許せない」外資系IT企業勤務・洋介のこだわり


最近鳴りやんでいたLINEがまた急に賑やかになってきた。その相手は、2週間前に出会った外資系IT系企業に勤める洋介だ。

彼とは、銀座の『ビストロ バーンヤード ギンザ』での食事会で出会った。この店は、オーガニック野菜と新鮮な肉や魚が楽しめるビストロで、ウッディな店内も小洒落ている。ここでの食事会は女子ウケがいい。


会社の同期4人だという男性陣の中で、洋介は明らかに浮いていた。

ピンクと白のストライプのネクタイに少し光沢がかった紺色のスーツ。ジャケットの下には同色のジレを着ていて、その格好が嫌みなく似合っている。アパレル関係の仕事をしていると言われても違和感がない。

冴えないエンジニア集団の中で彼の格好はひと際目立っており、目の前に座ったレイナは少し緊張していた。

自分より明らかにセンスが良くこだわりを持ってそうな男。恋愛対象としては守備範囲外だ。

その予感は的中した。食事会のお決まりの質問、「どんなタイプが好きか」という話題になったとき、彼はこう言った。

「調理器具とか食器を、近所のスーパーとかで適当に買う人は嫌だな。」

彼曰く、日常で長く使うものこそ質にこだわるべきで、適当に買った物を長く使っている人の神経が信じられないと言う。

レイナはドキッとした。

―うちにあるピーラーは近所のスーパーで買ったやつだ…。

センスが良くて神経質そうな男。女として負けた気になる。こういう男はやっぱりごめんだ。心の中でそう毒づいた。

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