SPECIAL TALK Vol.18

~テクノロジーへの興奮が、新しいビジネスを生み出す~

ロボット開発を経てZMP創業へ。コラボに感じる勝機とは

金丸:谷口社長は、二足歩行ロボットの開発を経て、2001年に「株式会社ZMP」を創業されます。社名のZMPとは、どういう意味なのですか?

谷口:ZMPとは、ゼロモーメントポイント(Zero Moment Point)の略で、動力学的な重心位置のことを意味します。そして二足歩行のロボットは、足裏上にZMPが来ることで初めて歩くことができます。つまり、二足歩行ロボットの歩行を実現するのに、最も重要なポイントなんです。このように私たちの会社も、ロボット分野で最も重要な存在になりたいと思い、社名にしました。

金丸:素晴らしい意味が込められているのですね。現在は、どのようなビジネスをされているのですか?

谷口:自動運転車や物流ロボット、ドローン、計測や分析機器などの開発を中心に行っています。軸となるのは、自動運転技術とロボット技術ですが、私はこういった技術は、あらゆる分野に応用が利くと考えているんです。人間は、目で周りの環境を見ながら、頭で判断し、最後に手足を動かしますよね。その手足の部分は、たとえば農業機械や自動車の組立工場などを見ればわかるように、すでに多くを機械が担っているので、ZMPでは「目」と「頭」の部分に特化した製品を作っています。あらゆるものにロボット技術を応用して、安全で楽しく便利なライフスタイルを社会に提供したい。そんな思いから、「Robot of Everything」を会社のミッションに掲げています。

金丸:社員はやはり若い方が多いのですか?

谷口:70名いるのですが、平均年齢は30代前半で、外国籍の方が多くいますね。フランス、イタリア、イギリス、スペイン、ポルトガル、オーストラリア、アジアでは中国、台湾、マレーシアなど12ヵ国の方が働いています。一番多いのはフランスです。

金丸:フランスですか?

谷口:おそらく長期的な視点とかエモーショナルなカルチャーとかが合っているんじゃないかと。

金丸:谷口社長と同じ“興奮体質”ということですね(笑)。

谷口:そうかもしれません(笑)。お金よりも目先の利益よりも、未来の夢に自分の人生を懸ける。そんな価値観を持つ、エモーショナルな方がフランスをはじめ、ヨーロッパには多いような気がします。一方、アメリカ人は、ビジネスとしての先が見えないと動いてくれないんですよ。高額なギャラを払わなければ、自分の価値が下がったと思ってしまう。アメリカ人とも何度も面接しているんですが、採用には至っていません。

金丸:私たちとも、何か一緒にビジネスができると面白いですね。

谷口:そうですね、何かやりたいですね。たとえば私たちのドローン技術は、農業にも応用できます。ドローンを農地の上空に飛ばして、田植えや収穫に最適な自動運転のルートを作成する。そのデータを農業機械に連動させて動かせば、効率的に農作業ができます。

金丸:それはいいですね。農業分野のロボット化は、高齢化と後継者不足を解決する切り札として、大きく期待されています。私は政府の規制改革会議の農業ワーキンググループの座長を務めているのですが、日本の農業機械は韓国製に比べて、価格が高いんです。GPS程度しか搭載していない農機ではなく、センサーをフル装備したハイテクの農機を提供したい。ハイテク農機の導入が進めば、新規参入する企業や就農する若者も増えて、農業全体が活性化するんじゃないかと思うんです。

谷口:ぜひ一緒にやりましょう。私たちの会社は大手の系列ではなく独立系なので、コラボレーションは欠かせません。異なるふたつのものが化学反応を起こすことで、思ってもみないような成果物ができる。コラボレーションは、私たちのビジネスの命です。そしてイノベーションは、コラボレーションによって加速するものだと思っています。

金丸:同感です。一緒に日本の農業を盛り上げていきましょう。

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