
~テクノロジーへの興奮が、新しいビジネスを生み出す~
2020年のニューリーダーたちに告ぐ
近年、世界中で脚光を浴びているロボット技術。自動運転や物流システム、さらには医療に農業と、あらゆる分野においてロボット技術が応用されはじめている。
今回のゲストは、そんなロボット技術に魅せられ、その技術で世界の在り方を変えていこうと夢見る株式会社ZMPの谷口 恒社長。従来の枠にとらわれない気鋭の経営者を突き動かしているのは、新しいテクノロジーへの純粋なる興奮。
未来を創り出す谷口社長の半生から、次世代のリーダーになるヒントを見出す。
金丸:本日はお越しいただき、ありがとうございます。
谷口:こちらこそお招きいただき光栄です。ゴールドのテーブルがまばゆいですね。運気が上がりそうです(笑)。
金丸:今日は銀座の『アルマーニ/リストランテ』で、谷口社長の半生をじっくり伺いたいと思っています。早速ですが、お生まれはどちらですか?
谷口:兵庫県の姫路市です。
金丸:姫路ですか。私も関西出身です。大阪の枚方の生まれなんですよ。ということは、普段は関西弁?
谷口:そうなんですが、もう関東に住んでいるほうが長いので、「関西なまりの標準語」を話しているんじゃないかと。でも関西人に会うと関西弁、ですね(笑)。
金丸:子どもの頃は何をして過ごしていましたか?
谷口:実家が天台宗のお寺でして。
金丸:えっ、お父様はお坊さんなんですか?
谷口:はい。ただ専業ではなく、学校の教師もしている兼業僧侶でした。朝晩のお勤めとしてお経を読むのですが、私も小僧のように父の後ろで毎日お経を読んでいました。
金丸:じゃあ、今でもお経を読めるのですか?
谷口:天台宗には「般若心経」「自我偈」「円頓章」という3つの重要なお経があるんですが、これは今でも読めます。小学6年生ぐらいまでにすべて覚えてしまいました。毎日やっていると、意味はわからなくても覚えるものなんですね。毎日の行いというのは、すごいものです。
金丸:長く続いているお寺なのですか?
谷口:創建は鎌倉時代ですが、一度火事で焼失してしまい、それを祖父が再建しました。私が3代目にあたります。お寺というのは季節ごとに行事があって、いつも大勢の人で賑わっているんです。おじいちゃん、おばあちゃんから子どもまで、いろいろな世代の方と交流がありました。
金丸:お寺のご子息となると、放課後はどのような遊びを?
谷口:ほかの子と変わりませんよ。小学校の時は、放課後はたいていソフトボールの練習をしていました。毎年町内で大会があり、それに向けて練習に明け暮れていましたね。それから、家でニワトリとチャボを飼っていたので、卵の回収を日課にしていました。
金丸:自然豊かなところだったんですね。
谷口:姫路の郊外なので自然がいっぱいで。あとはザリガニ獲りをしていました。
金丸:ザリガニですか?! 私もよく獲っていましたよ。エサは何を?
谷口:いや、エサはないんです。石をめくると、そこらじゅうにザリガニがいましたから、素手でガバッと掴んでいました。ハサミで挟まれたりしながら(笑)。
金丸:ワイルドですね(笑)。
谷口:とにかく元気でした。中学、高校までは地元の姫路で過ごし、大学からは親元を離れて群馬大学に進みました。