SPECIAL TALK Vol.15

~最も大切なリーダーの素質は逆境でしか得られない、ハートの強さである~

大学後半は広告営業のアルバイトに従事

金丸:福井でも指折りの進学校を卒業した後、青山学院大学に進学されます。やはり東京に出たいという気持ちが強かったのでしょうか?

藤田:とにかく田舎から脱出したい、の一心でしたね。私が生まれ育ったところは本当に地味な田舎町で、テレビや雑誌で見る華やかな世界への憧れがいつからかあったように思います。ここを出られるなら関西でもいいや、と大阪の大学もいくつか見学したのですが、やっぱり最初から東京を目指した方が起業するにも早いだろうと思って、青山学院大学に決めました。結局、1、2年のころは都心から1時間以上離れた厚木のキャンパスで過ごすことになるのですが(笑)。

金丸:大学生活はいかがでしたか?

藤田:授業には出ず、アルバイトに明け暮れていましたね。でもそれがきっかけで、経営者になることを現実的に考えるようになりました。

金丸:それは、どんなきっかけがあったのですか?

藤田:私がアルバイトをしていたのは、リクルート出身の方が立ち上げたベンチャー企業の広告代理店でした。営業を任されていて、大手通信会社が発行するフリーペーパーや求人情報誌など、さまざまな業態の広告を売り歩いていました。それこそ1日100件の飛び込み営業をこなしたこともあります。営業先には自分より10歳ぐらい上の経営者もいらして、その方たちの仕事の大変さややりがいを肌で感じられたことが大きかったですね。もうひとつは、『ビジョナリー・カンパニー』(※)という本との出合いです。時代を超えて生き続ける企業とは何かを説いた本で、「会社そのものが究極の作品」という発想に大きな衝撃を受けました。それまでぼんやりと考えていた起業の道が、このとき、はっきりしました。バブルが崩壊し、就職難やリストラ問題など日本が元気を失っていたころだったので、新しい時代に向けて、みんなが憧れる「21世紀を代表する会社を創りたい」と決意しました。

金丸:大学卒業後は、株式会社インテリジェンスに就職されます。当時、インテリジェンスは非常に勢いがありましたね。

藤田:将来は経営者になりたいと思っていたので、大企業ではなく、若くして第一線で働ける、面白そうなベンチャー企業に絞って就職活動をしていました。そんな中、セミナーで宇野社長(当時)の言葉や夢に非常に感銘を受け、入社を決めたのですが、本当に勢いがありましたね。社員80名のときに、新卒で44名採用していましたから。

金丸:それは驚きです。そういう攻めの姿勢が、会社を成長させる原動力になるんですよね。

藤田:そのころ、金丸会長はまさにITの最前線にいらっしゃいましたよね。「日経ビジネス」で金丸会長の姿を見たのが強烈に記憶に残っています。

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