慶應ガール、29歳 Vol.13

慶應ガール、29歳:「自分らしさ」なんて馬鹿らしい?大病院の娘が、親の敷いたレールに戻った理由

大学時代「慶應ガール」と呼ばれ、華やかなイメージを持たれている慶應卒の女性。しかし、そのすべての女たちがそのイメージ通りの生活を送っているのだろうか?

慶應というブランド力を持ちながらも、その派手さを苦手とし、日陰の人生を送るのを好む女もいる。そんな「慶應ガール」の人生とは?

今回から、慶應出身で現在は広告代理店勤務のトオル(32)が、自身の大学時代の人脈を駆使し、さまざまな“慶應ガール”に斬り込んでいく。


<今週の慶應ガール>

氏名:夏帆
職業:実家の病院手伝い
学部:経済学部
住居:港区白金台
家賃:旦那の持ち家のためなし
出自:幼稚舎→中等部→女子高
ステータス:3年前に慶應医学部出身の外科医と結婚。

幼稚舎出身の生粋の慶應ガール、夏帆の場合


「自分のやりたいこと、なんて馬鹿らしいと思ってた。」

夏帆はサバサバした調子でそう言った。

大学の新歓コンパで隣の席になって話した彼女の第一印象は、扱いづらい女だな、というものだった。

内部生だった彼女は、赤文字系読者モデルの友人といつも連れ立って歩いていた。

金持ちのご子息・ご令嬢が多いせいか、彼らの多くは洗練された雰囲気を持っており、外部生の僕にとって彼女たちは少し近寄り難い存在であった。

夏帆もその中の一人だった。お世辞にも美人とは言い難かったが、涼しげな目元と陶器のように白い肌は、多くの男を魅了した。しかし困ったことに、金持ちの若い娘によくあるように、彼女は自分の実力以上にプライドが高かった。

実力以上にプライドが高い女


忘れもしないのが、彼女と軽口を叩くようになって半年ほど経ったある日。少し酔いも手伝って僕はこんなことを言った。

「夏帆ってさ、女性芸人の〇〇に目が似てるって言われない?」

女性芸人と言っても、彼女はその中でもトップクラスの美人で、大分親しくなった僕と彼女の間柄なら笑って済ませるだろう、と思って言った軽口だった。

しかし、その読みは見事に外れた。涼しげな目元は釣り上がり、僕を睨みつけた。

「冗談でも、そんなこと言わないで。」

ごめん、と謝ったものの、友人同士の軽い冗談が通じない彼女に驚きを隠せなかった。

その後就職活動も始まり、彼女とはすっかり疎遠になってしまった。卒業後も共通の友人から話は聞いていたし、SNSに上がる結婚式の写真や子供の写真で、近況は何となく把握していた。

そんな彼女から突然連絡があり、卒業以来、久しぶりに会うことになった。彼女に、29歳の当時の話を聞こうと思った。

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