婚活は、ビジネススクールで!? Vol.2

好条件過ぎる医師との、2度目のデート。結婚の予感に浮かれる女に降り掛かった予想外の仕打ち

多くの女性を苦しめる、 “結婚”という二文字。

高望みをしているわけではない、普通の幸せが欲しいだけ。しかし出会いに溢れているはずの東京で、それはなかなか手に入らないのである。

自称・丸の内にゃんにゃんOLの本田咲良(27)も、そのうちの一人。

そんな咲良はある日、ひょんなことからビジネススクールに通うことに。

しぶしぶ行ったビジネススクールだったが、そこには意外にも婚活にぴったりな世界が待っていた…!?

母親に押し切られ、仕方なくお見合いに臨んだ咲良だったが、お見合い相手の医者・祐一は予想外にタイプであった。

そして彼の「何かで成長してもらいたい」という言葉に、ついつい研修への意気込みを語ってしまうのだった。


―やっぱり私、場違いって感じ……。

水曜日の夜、咲良と由利は、ビジネススクールの見学会に来ていた。

教室はすでにダークスーツのビジネスマンで埋まっており、ピンクのニットを着た咲良は、明らかに浮いている。

今回の研修は、由利は課長代理になったため、咲良は課長代理になるためだ。咲良が受けるのは、論理的な思考を学ぶ1科目だけで、由利は他にマーケティングなど、計4科目を受けるらしい。

―もう……。海老原さん、大丈夫って言ったのに。

咲良は、呑気な上司を恨めしく思いながらも、ひとまず講義に集中することに決めた。



「意外に、楽しかった!由利たちって、あんな感じで営業してるの?」

見学会の後、二人は予約していた半蔵門の『エリオ・ロカンダ・イタリアーナ』に来ていた。

「そうだね。フレームワークがピッタリハマることはないけど、意識して考えるようにはしてるかな」

見学会では、フランス発の高級スイーツショップのオーナーになったと仮定し、日本進出における売上目標達成のためのアイディアを、たくさん挙げるゲームをした。

簡単に思いつくものもあったが、3分で20個という合格ラインはハードルが高く、あっという間に時間が過ぎた。

「ワークは結構面白かったけど……。仕事で使う機会なんて、私にはなさそうだけどなぁ」

「何言ってんの。課長代理になったら使う機会なんていっぱいあるよ」

「ただの候補だよ。私なんかより、山代さんとかの方がいいと思うんだけど…。本当になった時のことを考えると、ちょっと気が重いなぁ…」

山代さんは、咲良の6歳年上の先輩である。入社当時の教育係で、社会人として、特に事務職としての心構えを叩き込まれた。就職氷河期の世代で、派遣社員から登用されたらしい。

山代さんは地道な努力家で、エクセルの関数もマクロもバリバリ使いこなす、事務のエキスパートだ。営業からの信頼も厚い。

―そんな優秀な先輩を差し置いて、いいのかなぁ。

咲良は大きくため息をつきながら由利を改めて見ると、ある変化に気付いた。

この記事へのコメント

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No Name
これ、ラインの答え合わせみたいに、振られた理由が次の日分からないけど、、知りたい笑
2018/03/12 05:1899+返信7件
No Name
釣書に書いてあるだけで誕生日に気づいてお祝いしてほしいなんて、図々しい。
浅い男女関係での誕生日祝いは相手の立場に立ったら面倒くさいわ。
2018/03/12 06:1475返信4件
No Name
今日はアップルウォッチなんですね、って、前回時計で値踏みしてたんかい、って思われたのかも。
2018/03/12 08:0773返信2件
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