2015.04.21
SPECIAL TALK Vol.7歳を重ねるほど勉強はするべき。若者から学ぶ姿勢
金丸:ところで、休日はどのように過ごされていますか?
大西:土曜は出勤ですので、休みはだいたい日曜なのですが、カフェや流行りの飲食店に出かけることが多いですね。街歩きが好きで、行列ができる店には率先して足を運んでいます。
金丸:好奇心旺盛でいらっしゃるんですね。
大西:それこそ東京カレンダーで紹介されているようなレストランによく行きますよ。
金丸:そのときはおひとりで?
大西:ひとりか、または若い人たちと一緒ですね。会社の子たちや急成長している企業の方と行くことも多いです。若い人は知識が豊富なので、いろいろ教えてもらっています。
金丸:同世代からは得られない刺激を受けていらっしゃるんですね。やはり御社のようなビジネスだと、若手の意見に耳を傾けることがより必要だと思われますか?
大西:そうですね。私自身も心がけています。というのも、会社の幹部というのは、視野が狭くなりがちです。自分の持っている数字や目の前の見える範囲で判断してしまう傾向にあり、これではリスクが非常に高いと感じています。ですので、いまは経営会議に若い人たちを出席させるようにしています。
金丸:それは面白い。何歳ぐらいの方ですか?
大西:1月は8名の女性が参加しました。26歳から32歳までで、全員、去年ニューヨークにポップアップショップ「ニッポニスタ」を出店した際の担当者でした。経営会議ではニューヨークでの経験からいま何がやりたいのか、そして今後会社は何をすべきかについて話してもらいました。出席させることに反対する人もいたのですが、実際話してもらうと、普段メモを取らないような人たちが必死にメモを取っていましたね。
金丸:若い方たちの考えや提案が、新鮮だったんですね。
大西:現場の若い子たちの方が、今後の当社のあり方やあるべき姿をより真剣に考えているように思います。つい先日も、婦人服を担当している男性のバイヤーが「飲食事業をやってみたい」と経営会議の場で提案し、認められました。
金丸:面白いですね。
大西:1ヵ月に1回はこういったことをしています。
金丸:幹部の方たちは大変ですね。それだけ周囲に対して責任がある。
大西:だからこそ経営陣はもっと勉強するべきです。東京カレンダーを読むだけでも、情報量としては全然違うと思います。
悔いを残さないためにも言いたいことは言って、やりたいことをやる
金丸:今後は三越伊勢丹をどのような会社にしていきたいですか?
大西:売上とか利益よりも、従業員が働きやすい環境を作りたいと思っています。本当の意味で働きやすい、入ってよかった、と思える会社にしたいですね。それに当社は女性が多いので、彼女たちが働きやすい職場づくりをいつも心がけています。
金丸:男性陣はどうですか?
大西:毎年80名ほど入社しており、男女の割合はちょうど半々なのですが、面白いことに、男女でまったくタイプが異なります。女性は自分の考えをきちんと言いますし、非常に頭もクレバー。一方、男性は少々大人しい。「言いたいことを言う女性」と「上を見て仕事をする男性」というイメージです。百貨店という仕事柄、似たようなタイプが集まりやすいのだろうかと思っていたのですが、全体的にそういう傾向にあるようですね。いまの若い人たちは、生まれたときからずっと“失われた20年”と言われる時代を過ごしてきました。変化の乏しい時代に育ってきたことも、原因のひとつにあるのではないかと。
金丸:なるほど。時代背景が若者の人格形成に何かしら影響しているというわけですね。では最後に、東京カレンダーを読んでいるニューリーダーたちに何かメッセージをいただけますか?
大西:サラリーマンは60歳になれば定年を迎えますので、やり残して後悔することがないようにしてほしい、と伝えたいです。その時々で「これは言ったらダメ」とか「失敗しないように」と思ってしまうのがサラリーマンの常なのですが、あとで振り返ってみると、たいしたことではない場合がほとんどなんですね。ですから悔いのないように、言いたいことを言って、やりたいと思ったことは自分の力でやり抜く姿勢が大事だと思います。
金丸:たとえば上司と意見が違っても、はっきり勇気を持って物申す、ということですか?
大西:その通りです。私にもたくさん覚えがあります(笑)
金丸:上司に意見する際、言い方は工夫した方がいいですか?
大西:いいえ、その必要はありません。
金丸:バシっと言っちゃっていいですか?
大西:もちろんです。上司が100%正しいわけではないですし、上司がすべて知っているというわけでもないですから。
金丸:自分の考えに自信を持て、ということですね。
大西:そうですね。下の人が持っていて、上の人が持っていないものってたくさんあると思います。だから思っていることは言わないと損です。
金丸:今までいろいろな経営者の方とお話をしてきましたが、大西社長の言葉には読者の方々も大変勇気づけられたかと思います。本日はありがとうございました。
【SPECIAL TALK】の記事一覧
2024.04.19
Vol.115
~この楽器だからこそできる表現を。歴史ある箏を武器に世界を目指す~
2024.03.21
Vol.114
~勝負の気持ちから感謝の気持ちに。青森の伝統を守り、盛り上げたい~
2024.02.21
Vol.113
~学問という知的な武器を子どもたちに。学びの体験をアップデートして日本を変える~
2024.01.19
Vol.112
~庭師として素晴らしい日本文化を守り、次の世代へと伝えていきたい~
2023.12.21
Vol.111
~いつだって新しい人に出会いたい。シンプルな好奇心が新たな交流を生んだ~
2023.11.21
Vol.110
~自分が飲みたい日本酒で世界に挑戦し、日本酒業界に革命を起こしたい~
2023.10.20
Vol.109
~世界で一番愛される字を書きたい。世界を舞台に活躍する書道家へ~
2023.09.21
Vol.108
~ピアノや音楽をもっと自由に、多くの人が慣習にとらわれず楽しんでほしい~
2023.08.21
Vol.107
~未曽有の事態に直面して生まれた医療の新しいカタチ~
2023.07.21
Vol.106
~日本における医療の弱みはウェルビーイングの浸透で改善できる~
おすすめ記事
2015.03.21
SPECIAL TALK Vol.6
~教育変革こそが、世界と戦えるカギとなる~
- PR
2024.04.25
GWは愛車で小旅行!彼女をドライブに誘った男が、密かにアップデートした“あるモノ”とは?
2017.04.19
キメの接待はここ!商談を成功へと導く美食自慢の都内名店5選
2023.07.05
ハラスメント探偵~解決編~
「君にはパッションが足りない!」他の社員がいる中で、上司が大声で叱責。これってパワハラ?
- PR
2024.04.23
港区2大新名所・虎ノ門と麻布台。2つの”ヒルズ”で過ごす、最高の休日デートプランとは
- PR
2024.04.24
フルーティーで飲みやすい!渋谷の人気酒場が目をつけた、女性が喜ぶお酒の正体とは
2023.08.30
ハラスメント探偵~解決編~
オフィスに家族写真を飾っていたら“セクハラだ”と内部通報された男性社員。会社側のジャッジはいかに!?
2015.12.18
接待慣れした美食家はここでもてなせ!サプライズで喜ばせる名店6選
2023.08.02
ハラスメント探偵~通報編~
「私の企画書のほうが良くないですか?」指示に従わない新人に、困り果てたOJT担当女性がとった行動
2016.07.05
年収1,000万超の秘密とは!人気職業"総合商社"の給料の実態に迫る
東京カレンダーショッピング
『秋田かまくらミート』:秋田を代表するブランド牛「秋田由利牛」!サシの美しい上質なしゃぶしゃぶ用サーロイン
『肉のABCフーズ』:黒トリュフ塩付!牛タン&A5ランク黒毛和牛を使った極上ハンバーグ
『パンツェロッティ』:具材ごろごろボリューミー!フレッシュな野菜と肉感満載のフライドピッツァ
『HAL YAMASHITA 東京』:シルクのようななめらかさ!冷え冷えトロリの新食感"ウォーターチョコレート"
『レザンファンギャテ』:しっとりと濃厚で、コクのあるニューヨークスタイルのチーズケーキ
『ル・ボヌール 芦屋』:しっとりサクサク!フリーズドライ苺にホワイトチョコをたっぷりと浸透させた新感覚スイーツ
ロングヒット記事
2024.04.20
男と女の答えあわせ【Q】
年上彼氏と2泊3日の初旅行。沖縄の高級ホテル滞在中、26歳女が男に幻滅したワケ
2024.04.16
Editor's Choice~fashion~
GWのラウンドが楽しみになる!日本初上陸から新作まで、いま注目のゴルフウエアブランド4選
2024.04.18
Editor's Choice~beauty & wellness~
【動画アリ】TWICE・SANAが出演するCMメイキングも!イヴ・サンローランから新アイコンリップが登場
2024.04.19
大人の週末ToDoリスト
【東カレ的・ハラカドの歩き方】パリ発のカフェや雑誌の図書館まで、注目ポイントを徹底解剖!
2024.04.21
Editor's Choice~hotel~
GWに足を延ばしたいサウナ5選!大自然に抱かれる世界初のガラスドーム型も!