商社マン優作 Vol.2

商社マン優作:異例の花形部署からの転落異動。仕事も結婚も焦る商社マン、27歳

ー総合商社に入れば、人生、一生安泰で勝ち組。ー

東京において、商社マンというのは一見、社会的ステータスの高い、万能なカードに見える。

しかし、果たしてそれは事実なのか?

商社という舞台には、外部からは計り知れない様々な人間模様があり、出世レースに関する嫉妬と憎悪に満ちた縦社会のプライド合戦も繰り広げられている。

早稲田大学商学部卒業後、大手総合商社に入社した優作。彼の商社マン人生は、薔薇色なのか、それとも?

前回までのあらすじ:花形部署に任命され無敵だと信じていた優作。デートでけなされ、気になる後輩・麻里子の花澤部長との仲を知りショックを受けるが...


異動辞令は突然に


麻里子の不倫から立ち直るのには結局1年かかった。何度も麻里子に諭してみたが効果はなかったみたいで、相変わらず二人の関係は続いている。

「優作、クールなお前らしくないし諦めろよ。」

毎回飲みに行く度にやけ酒を煽っている俺を見て賢治がポンと俺の肩を叩く。

自分でも何でここまで麻里子に惹かれているのか分からないが、どうにかして不倫を止めさせたいという正義感にかられていた。普段冷静沈着な俺が、こんなこと初めてだった。

麻里子と話す度に向こうが何となく俺を気にかけているのは分かる。でも麻里子は不倫を止めない。二人の関係は考えても解けない知恵の輪のようになっていた。


そんなある日、俺の商社マン人生を変える辞令は突然やって来た。誰も想像していなかった、花形エネルギー部署から、食料部署への異動だった。

「え、それって本当ですか?」

驚き過ぎて3回は聞いた。せっかく花形のエネルギー部署に配属され、エリート街道に乗っていたのに外されるなんて夢にも思っていなかった。

背番号制と呼ばれる位、うちの会社は部署異動が少ない。最近、従来のタテ型人事から、新しいヨコ型にしようと会社の方針が変わり、何人か部署異動があると聞いていたが。

「何でですか?何で僕なんですか?」

人事に聞いても答えは返ってこなかった。


商社マンは、ただのサラリーマン。上からの命令は絶対。あまりに突然過ぎる辞令に部署内もざわついていた。いたたまれない気持ちになり、急に社内にいづらくなった。

「賢治、飲みに行こうぜ。」

こんな日は賢治以外思いつかなかった。賢治は俺の愚痴をひたすら聞いてくれた。

「優作ならどの部署でも必ず成功するよ。」

賢治の優しい言葉がビールと共に身体に染み渡る。

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