東洋経済・東京鉄道事情 Vol.23

「最も儲けている地下鉄」はどこか、全国各都市の地下鉄「営業係数」を独自試算!

全国の地下鉄で営業係数がトップの御堂筋線(写真:ゴスペル / PIXTA)

大阪市交通局は、試算による営業係数が全国の地下鉄の中でトップの50・3である御堂筋線をはじめ、堺筋、谷町、四つ橋、中央の各線とも営業係数が60~80台で、同交通局の経営の柱となっている。全線を通しても71・7(確定値)と地下鉄事業者の中で最もよい営業係数を収めた。

ところで、大阪市交通局の地下鉄事業は2015(平成27)年度から民営化が予定されていたものの、依然として公営のままである。そして、民営化に関する議案は2016年3月29日の市議会本会議で継続審議となり、当面は公営事業で存続することとなった。営業係数も良好なことから、あえて多額の経費を投入して民営化する必要はないと考えられているらしい。

今里筋線は上方修正も視野?

営業係数が100を上回る千日前、長堀鶴見緑地、今里筋(いまざとすじ)の各線でも2008年度と比べて営業係数が向上している。いずれも平均通過数量が増加した結果という点がうかがえ、特に今里筋線の平均通過数量の増加は目覚ましい。

同線の輸送人員は2008年度の1804万5000人、1日当たり4万9303人から2013年度の2274万7000人、1日当たり6万2321人と、1日当たりで1万3018人増えている。

大阪市が2010(平成22)年に立てた中期予測によると、今里筋線の2020(平成32)年の1日の利用者数は6万3230人でピークを迎えるという。2013年度の輸送人員ですでにそのピークに近づいていることを踏まえると、中期予測の上方修正を行ってもよい状況にある。

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