東洋経済・東京鉄道事情 Vol.19

コスパがいいのはこれだ!新幹線のファーストクラス、最も割安なのはどれ?

東北新幹線E5系のグランクラス(photo/尾形文繁)

そこで、グランクラスのフルサービスが受けられる、毎日運転の列車をピックアップ。各列車の始発から終点まで、グランクラスに乗った場合の、1分当たりの利用料金を計算し、「グランクラスのサービスをお得に受けられる列車はどれか」を探してみた。

まずは、東北・北海道新幹線。グランクラスは、東京―盛岡を結ぶ「やまびこ」と、東京―仙台・盛岡・新青森・新函館北斗を結ぶ「はやぶさ」に連結されている。

コストパフォーマンスが一番いいのは、東京発8時48分、盛岡着12時54分の「やまびこ43号」だ。東京―盛岡の所要時間は3時間19分。速達型の「はやぶさ」よりも1時間以上遅いが、その分グランクラスをたっぷりと満喫できる。乗車券、新幹線特急券、グランクラス料金をあわせた料金が2万2,960円で、1分当たりのグランクラス料金は115.4円となった。

東京発8時40分の「はやぶさ7号」に乗って、終点の青森まで行くと、所要時間は3時間11分。「やまびこ43号」より8分も短いにもかかわらず、料金は2万7,110円と4,150円も高い。グランクラスのサービスだけが目的なら、「やまびこ」の方が断然お得だ。

以下、東北・北海道新幹線のお得な列車を調べて行くと、東京―盛岡の「やまびこ」が上位を独占する。東北新幹線は、最高時速320kmの「はやぶさ」に乗る場合、東海道新幹線の「のぞみ」と同じく、通常の新幹線特急料金にプラス料金(510円)がかかることから、「やまびこ」のお得感が増している。

早く到着すると「損」?

一方、コストパフォーマンスが悪い、もとい、一番ぜいたく感があるのは、東京発21時36分、仙台着23時07分の「はやぶさ37号」と、仙台発6時36分、東京着8時07分の「はやぶさ2号」だ。料金は1万9,930円だが、所要時間が1時間31分と短かったため、1分当たりの料金が高額となった。

それに続くのは、東京―盛岡の速達型「はやぶさ」。盛岡までの所要時間が「やまびこ」より1時間以上早く、料金が510円高いこの列車は、グランクラスのサービスを楽しむより、指定席でさっさと目的地へ向かいたい方に向いている列車だ。

4位以降は、新函館北斗発着の「はやぶさ」が並ぶ。これは、列車がJR東日本とJR北海道の2つの会社を直通するためだ。一般的に列車に乗る場合は、遠くへ行けば行くほど特急券は割安となるが、「はやぶさ」の場合、東京―新青森の料金と、新青森―新函館北斗の料金を別々で計算して合算するので、少々割引はあるものの、割高感が出る。

そのため、特急料金は、東京―新青森の場合、指定席は7,200円(通常期)だが、東京―新函館北斗の場合、1万1,130円と、3,930円も高い。グランクラスの場合も同様の方式が取り入れられるため、どうしても東京―新青森の「はやぶさ」よりも割高となってしまうのだ。

【東洋経済・東京鉄道事情】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo