その一杯が旨くなる大人の酒講座 Vol.1

いまさら聞けない!ビールブームの今こそ学ぶ、100倍旨く感じるビールの基礎知識

curated by
藤原ヒロユキ

焼酎ブーム、ワインブーム、ウイスキーブーム、日本酒ブーム…。色々流行りはあるけれど、今間違いなく一番アツイのは「クラフトビール」。ブルワリーが続々とオープンし、今夏盛り上がりの絶頂を迎えそう。

ただこのビール、我々がいつも飲んでいるキリっとしたヤツと少し違う。適当に頼むと炭酸がなかったり、酸っぱかったり(好んで頼む人がいるわけだけど)と、少々びっくりするハメになることも…。そこで、“ビールの達人”藤原ヒロユキさんに、その基本から今飲むべきTAPまで、ご教授いただいた!

Q-ビールの種類によって飲み方も変わってくるのでしょうか?

A-“とりあえずビール”を改め、二大勢力の特徴を知るべし。

醸造に必要な酵母の働きの違いによって風味が変わってくる。発酵方法は大きく分けて2つ。酵母がタンクの上側で発酵するエールと下側で発酵するラガーだ。

エール酵母は、約16~24℃で活動し芳醇な香りを、ラガー酵母は、10℃以下で活動しシャープな味わいを生む。さらに製法や材料の違いなどで多くのスタイルを持つ。野生の酵母で自然発酵するタイプまであるのだ。“味わう”なら、この奥深さをまず知ろう。

【LAGER/ラガー(下面発酵)】
約4~10℃の温度帯で活動する酵母を使うラガー。発酵後に低温で長期熟成するため、シャープさが特徴に。冷蔵技術の進歩とともに世界的にも普及した。日本製ビールに多い

<主なスタイル>
ピルスナー/シュバルツ/ボック/デュンケル/アメリカン・ラガー

【ALE/エール(上面発酵)】
実は、世界的に多いのはこちらの上面発酵タイプ。活動する温度が高いぶん、フルーティな香りや酵母の酸味など、豊かな味わいが特徴。アルコール度数も比較的高めになってくる

<主なスタイル>
ペールエール/IPA/ヴァイツェン/スタウト/ホワイトエール

【OTHERS/その他】
地域の野生酵母を使用するランビックと呼ばれる自然発酵タイプも存在する。ベルギーなどで見られる最古の製法の一つ。ほかに、ハイブリッドで造られるフルーツビールなども

<主なスタイル>
ランビック/フルーツビール/グーズ

Q-ビールの味わいは何で決まりますか?

A-麦芽、水、ホップ、酵母。つまり、原料すべてです。

ビールは、原料の些細な違いが味わいに大きく作用するデリケートな飲料だ。甘みを左右するのが麦芽。苦味を司るのがホップ。酵母は香りに作用する。すべてに関わる水も硬度の高いほうがエール向き、低いほうがラガー向きとなる。それほど一筋縄にはいかないものなのだ。

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