口説ける男 Vol.2

口説ける男:低スペックだと思ったオタク系男子。彼の株が急上昇した、そのセオリーとは?

東京恋愛市場で日夜繰り広げられる男と女の逢瀬。

世間の男たちは夢中で女性を口説き、彼女たちはどんな誘い文句を言うのかと口から出る言葉に期待する。せっかくの楽しいデートも、男性の発言ひとつで台無しになることは多いだろう。

これまでどうしてここで? というタイミングで、女性が不機嫌になったことはないだろうか。それはあなたが“口説けない男”である何よりの証拠である。

この連載では、女盛りの妹・美鈴(27)と、結婚3年目の姉・弥生(33)を通し、女性が喜ぶ口説き方の成功例・失敗例を紹介していく。

前回の教訓は「一度高級な食事を奢っただけで口説けると思うな」

今回は美鈴がオタク男と、急なデートをすることになったが……?


ジョジョ好きなオタク男。存在感は薄かったはずだが……


お食事会で俊介に初めて会ったときは、ただのオタクという印象で存在感は薄かった。趣味の話で「ジャンプの『ジョジョの奇妙な冒険』という漫画が好きです」と言っていたときだけ、淡い好感を覚えた。少年漫画好きな女子は意外に多い。

お食事会のときは大人しかったのに、その後、俊介からは毎日のように「おはよう」「おやすみ」のLINEが届いていた。時間が合えばふたりで会いたいとも言ってくれた。オタクなのに、意外にもハッキリとアプローチしてくれる。

同い年で大手メーカー勤務であれば、スペックは低いし、外見も普通。なので適当にスタンプを返す程度で返事は留めていた。美鈴は港区女子の定番である“既読スルー”は、よっぽどでない限りできない性格だった。

そんな俊介と会うことになったのは、急に予定と予定の合間に時間が空いたから。土曜の真っ昼間から夜の予定まで時間があり、姉の家に行こうか迷っていたところ、彼からまたLINEが届いた。

――もし暇なときがあれば、連絡ください

「今なら暇だよ」と返信してみると、すぐに電話がかかってくる。表参道にいると伝えれば、30分で行くので『TWO ROOMS グリル | バー』で少し待っていてほしいと言われた。

これは、なかなかのチョイスではないか。しかもレストランにはきちんと予約も入っていて、テラス席に通された。この季節、気持ちのいいテラス席に案内してくれる男は好感度アップだ。

この記事へのコメント

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No Name
東カレ小説の中でこのシリーズが一番好きです。ラストが幸せな感じで、いいんです。
2018/03/10 20:286

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