慶應ガール、29歳 Vol.6

慶應ガール、29歳:「結婚」は「幸せ」とは限らないと気づいた、シングルマザー

大学時代「慶應ガール」と呼ばれ、華やかなイメージを持たれていた慶應卒の女性。学生の間は大学名とその若さで怖いもの知らずに生きていた彼女たちも、卒業後それぞれの壁にぶち当たっていくのは避けられない。

29歳という年齢になると、結婚するかしないか、子供を生むか、キャリアをどう積んでいくか。一般の女性と同様に悩みも増える元・慶應ガールたち。

しかしその中で、すでに結婚・出産を経験し、まさかの振り出しに戻ってしまった女もいる。


<今週の慶應ガール>

氏名:理恵
職業:日系大企業事務職
学部:法学部法律学科
年収:約550万円(別途養育費月20万円)
住居:リバーフロント新興住宅の新築賃貸1LDK
家賃:18万円
出自:渋谷区出身。帰国子女枠で慶應義塾女子高校に入学。
趣味:子供と公園めぐり
ステータス:シングルマザー、恋人アリ

29歳にして、まさかの振り出しに戻ってしまった帰国子女の慶応ガール


梅雨にさしかかる前の、ほんの一瞬の春爛漫な気候の中、理恵は颯爽と港区・六本木の青々しい芝生の中現れた。服装はスキニージーンズに鮮やかなピンクのフラットシューズ、流行の「とろみ素材」のシャツを着ている。

短い髪の毛はきちんと手入れされ、毛先はくるんと内側に巻かれている。長身の彼女はOL向け雑誌の読者モデルがそのままページから飛び出してきたような雰囲気を醸し出し、すっきりとした顔立ちには清涼感がある。

彼女の両手には、ベビーカーの取手が握られていた。中には1歳過ぎくらいだろうか、ぽっちゃりとした女の子が心ここに在らずという表情でちょこんと座っている。

一見幸せそうな主婦に見える彼女だが、挨拶を交わすなり

「私、シングルマザーなんです。」

とあっけらかんと話してくれた。

小・中学生時代を北欧で過ごした彼女は、帰国子女枠で慶應義塾女子高校へ入学し、内部進学で法律学部法律学科へと進んだ。裕福な家庭に育ち、家族・友達にも恵まれていた彼女は、苦労とは無縁の人生を歩んできたという。

「本当に、自分の思い通りにならないことはなかったんです。29年生きてきて、ここ数年で一生分の苦労をしたと思います。」

結婚=幸せと考えていた20代


大学三年生になり、就職活動は本格化する。しかし、彼女の脳裏にあったのは「キャリア」ではなく「結婚」だった。とにかく結婚願望が強かった理恵は結婚に直結する選択肢として、昭和時代はお嫁さん候補とも呼ばれていた大手日系企業の事務職を志望した。

「高校受験、大学進学、就職、そして幸せな結婚。人生のゴールはそこだと信じてやまなかったんです。今となっては馬鹿みたい。」

理恵が当時結婚相手に選んだのは、東大卒大手商社勤務の年上の男性だった。海外在住経験があり、バリバリと仕事をしていた彼はまさに理想の結婚相手だったいう。

「3平」(平均的年収・平凡な外見・平穏な性格)が人気を呼ぶ現代だが、理恵はバブル時代と変わらぬ「3高」を当然のごとく選んだ。高身長、高収入、高学歴な彼と結婚をすれば、あとは自動的に幸せがやってくる。そう信じた彼女は若干25歳で花嫁となった。

【慶應ガール、29歳】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ