もし、客室乗務員・史織と結婚したら
先ほど史織が言った「ワインカーブ」をググってみる。
カーヴとは貯蔵庫を意味するフランス語で、部屋全体が、ワインの保存のために温度・湿度管理されている貯蔵庫のことらしい。
検索をして出てきた画像に驚いた。
部屋全体を断熱材で包んだ洞窟のような空間。
天井にはワインセラーの心臓部になる空調機(3台もある!)
湿度を高めに保っているため、照明器具は防湿タイプ。
2000本近いワインを収納できる棚・・・
—こんなのを自宅に作る人たちがいるのか・・・—
そもそもワインカーブを知らなかったという時点で、僕は、こういう世界とは無縁なのかもしれないが。
史織が先ほど言った「自宅でマナー講師」をするとなると、家には、広く洒落たリビングルームが必要なのだろう。そこには、生徒が目をキラキラと輝かせるインテリアが配置されてなければいけない気がした。
そういえば、史織は、「長時間のフライトで、足が大根みたいになっちゃう。」とも言っていた。
気圧に、立ち仕事で常に足がむくむ客室乗務員であれば、もっともな話だ。マッサージルームに加えて、ストレートな史織のこと、ジャグジーやジェットバスのついたバスルームも欲しがるだろう。
「バスルームには、ミストサウナも欲しいー!」
そう言って、無邪気にケタケタと笑う史織を想像したところで、僕は苦笑いをする。果たして、この娘と付き合ったところで、結婚は現実的なのだろうか、と思いながらも、大学時代に戻ったような懐かしいような感覚に不思議と、今夜一晩で飛んだ金のことは気にならなかった。
酒豪で、奔放で可愛らしい史織の酔いつぶれた寝顔を見つめながら、「これはこれでありなのかもしれない。」と、告白も付き合ってもいないのに、早速一人悩み始める僕であった。
【第二話完】
●次回予告(5月12日公開予定)
人生の絶頂、モテキを迎えた直樹に、今度はTHE・デキル系の美人編集者の誘惑が迫り来る!
果たして直樹が結婚を決意する女性は現れるのか!?
理想の住まいプロジェクトはこちらから
「クレヴィアクリエイティブチャレンジ」
http://www.itochu-sumai.com/special/ccc/main/
■衣装協力
男性●ジャケット¥58,000、パンツ¥23,000、シャツ¥00,000〈すべてデザインワークス〉、ネクタイ¥14,000〈アトリエ エフ ビー/すべてデザインワークス ドゥ コート銀座店 TEL:03-3562-8277〉青シャツ¥11,000、パンツ¥14,000〈ともにアバハウス/アバハウス ラストワード原宿店 TEL:03-5466-5700〉Tシャツはスタイリスト私物