2016.03.27
タワマンラバー Vol.1タワーマンション。略して、タワマン。一昔前は、富裕層や成功者が住むイメージが強かったが、今では物件数も増え、裾野が広がってきている。湾岸から赤坂・六本木などの都心まで。様々なエリアにタワマンはあり、エリアによって居住者層も異なるだろう。
2016年の東京でタワマンに住む選択をしている、タワマンラバーたち。彼らはいったい、どのような価値観でどんなライフスタイルを送っているのか。実際に彼らの自宅に伺って、話を聞いてみた。
<今週のタワマンラバー>
名前:村上さん(仮名、36歳)
職業:某企業執行役員
場所:赤坂
家賃:賃貸で月額20万円台前半 、駐車場代別途
部屋:中~低層階/地上43階地下2階建て 1LDK(60㎡)
年収:非公開
交際:独身。結婚暦ナシ
時計:ブレゲ タイプトゥエンティワン
このスペックで家賃25万円以下。意外にもコスパの良い赤坂のタワマン
赤坂駅から徒歩10分。
青山方面にもほど近い都会のど真ん中にありながら、意外なほど閑静なその土地でそのタワーマンションはひときわ目立っていた。
明るい日差しの降り注ぐエントランスホールは、ホワイトレザーのゆったりしたソファーが窓ぎわに配置され、庭園の緑を眺めながら心地よく待ち時間を過ごすことができる。
このタワマンの住人、村上さんは36歳。
端正な中に甘さも合わせ持つ顔立ちに、ラフだが品の良い服装、どこから見てもさわやかな好青年だ。関西の有名私立大学卒業後、転職を経て、現在の会社に入社。約3年前からは同社の執行役員に就任している。
彼が、この赤坂のタワマンに入居したのは2013年9月。それまで住んでいた中目黒の古いリノベマンションは家賃10万円で約30㎡、村上さん曰く「コストコンシャス」なごく普通の一人暮らし向け物件だった。
「特に赤坂を意識したわけではないですが、会社から近い立地で、タクシーで帰宅しても無理のない範囲で探していました。会社にいる時間を気にしなくていいので。普段は電車ですが、夜遅くなってタクシーを利用しても1,000円くらいで済みます」
他の青山近辺のマンションも候補にしていたが、内装の高級感や全体のスペックは分譲賃貸であるこのタワマンが群を抜いていた。さらにコスパも良かったという。
入居した当時の家賃は今よりさらに1万円安く、ラグジュアリーなこのタワマンにしては意外なほどお手頃な家賃だった。
生活のすべてにコスト計算を忘れない
「クリーニングをコンシェルジュに出せるのも良いですね。そういうホテルライクなサービスも含めて考えると、本当にコスパが良い物件だと思います」
事業会社での財務・会計のキャリアが長い村上さんの言葉には、繰り返し「コストパフォーマンス」「コスパ」という言葉が登場する。彼がマンションを購入するのではなく賃貸にするのを選んだのも、そのコスパにこだわる考えからだった。
「当時は住宅ローンに良いイメージがなかったのもあるのですが、日本の不動産って資産価値が上がらないので買ってもしょうがない、貸したり売ったりするのにもコストが掛かる、結局トータルでみるとマイナスになる可能性が高いという考えが頭にありました」
しかし、2013年から2015年までの間に不動産価格は急上昇し、この物件の分譲価格も相当高騰したようだ。当時買っておけば、かなりの利益になったはずだった。
「まあ、コスパがいいから、って考えることが必ずしも正しくないという話なわけですが(笑)、やはり自分の生活スタイルや考えが自分の資産に縛られるのは嫌だなという感覚が根っこにあった気がしますね。当時、もう少し不動産市況に対する嗅覚があったとしても、やはり買わなかっただろうと思います」
また、普段の生活に対してもコスト計算を忘れないのが、村上さん流だ。
普段の部屋の掃除はルンバ。水まわりの掃除は「ちょっと汚れてきたな」と思った時に、清掃の専門業者を呼んでいる。生活の細々したことに時間を使うのはもったいなく、それよりも時間があったら他のことに充てたい、という考えだ。
愛車はBMW3シリーズのGT。
以前乗っていたSUVは立体駐車場に入らず、平置きの駐車場代は高額だったが、セダンタイプに変えたことにより、駐車場代が半額になった。ゴルフバッグも3個積めるこの車に乗り換えたのも、コスパを考えた結果だ。
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