2016.03.17
弁護士婚活事情 Vol.2弁護士は、婚活市場においていまだに優良銘柄なのか?それとも、2016年の東京において、弁護士がモテるというのはもはや幻想にすぎないのか?そんな議論が盛り上がりを見せる中、前回は、爽やかな若手エリート弁護士が登場し、イマドキの弁護士モテない説に異を唱えた。
たしかに、大学の図書館にこもり、20代のキラキラした時期を勉強に捧げてきた弁護士の生態は、他の業界からすると謎が多いだろう。一般の企業に比べ、とにかく個性の強い人が多い弁護士業界には、他にも様々なタイプの弁護士がいる。弁護士の婚活事情の実態を知るには、タイプの異なる弁護士の話を聞いていく必要がありそうだ。
今回は、34歳でなお独身を貫くエリート弁護士のライフスタイルと結婚観に迫る。
<今週の東京婚活弁護士>
名前:紀彦34歳
勤務先法律事務所:都内ブティック型法律事務所
年収:約3,000万円
学歴:東京大学、アメリカの有名ロースクール
住まい:白金高輪
家賃:30万円
交際ステータス:独身・彼女なし
趣味:アニメ鑑賞(ラブライブ)
1時間4万円の売上!40歳手前の5大事務所パートナー並みの価格の34歳弁護士
筆者が弁護士の友人を通じて紀彦と知り合ったのは、つい最近のことだ。180cmの長身に、やや筋肉質の体形。高級なオーダースーツに身をつつみ、銀色の細いフレームの眼鏡をかけた紀彦は、いかにもデキる弁護士といういでたちだ。そんな彼が、34歳ながら独身・彼女なしというのは一見意外だが、会話をすればすぐにその理由を知ることになる。
待ち合わせ場所に現れた紀彦は、開口一番、「時間通りにお願いしますよ。僕は通常アワリーで4万円チャージするので。」と言い放った。冗談とも本気ともとれる口調に、どう反応してよいものか迷ったが、笑っていないところを見ると、冗談で言っているわけではないのだろう。
*注記:アワリー=クライアントに1時間当たり請求するフィー。40歳手前の5大事務所パートナーでも4万円ほどであり、34歳にしては破格な部類といえよう。
パートナー弁護士として活躍する紀彦は、働き盛りの34歳。勤務先は、企業の海外展開の支援に強みを持つ渉外系のブティック型系法律事務所である。事務所の創設者は、大手事務所から独立した弁護士で、一流の事務所で培った企業法務のノウハウを生かした質の高い仕事が評判を呼んでいる。
そんな精鋭揃いの事務所の中でも、紀彦の独禁法の知識の豊富さにかなう者はおらず、周囲の弁護士からも頼りにされている。優秀な企業法務弁護士の多くがそうであるように、紀彦も留学経験があり、ニューヨーク州の弁護士資格も持っている。
やはり激務の毎日で、休日も事務所へ行くことが多いそうだ。あまりの多忙さに、最近自身でアソシエイトを採用したという。もっとも、自分が今まで勉強や仕事で苦労したことがない紀彦は、後輩の仕事の出来に満足できないことが多いようである。
「実は、アソシエイトを雇ったことは若干後悔してるんです。本当は自分で全部こなした方が早いですし、部下とのコミュニケーションもなかなか大変じゃないですか。」
ノブレス・オブリージュとは一体?
企業法務の事務所というと、お金儲けに精を出し、弁護士の本来の使命である人権擁護を軽視しているのでは、とうがった見方をする人もいるが、紀彦はプロボノ活動も重視しているという。しかし、高度な要求の多い大手企業相手の仕事をしながら、多大な時間・労力を必要とするプロボノ活動をすることは可能なのだろうか。
「ノブレス・オブリージュ、ですよ。」
急に難しい横文字を使われ、思わず意味を聞き返すと、紀彦は誇らしげに答えた。
「分かりやすく言えば、優秀な者はそれを社会のために還元する義務があるということですよ。だから、僕のような真のエリートが何もしないというのは許されないんです。」
自らを真のエリートと称して憚らない紀彦の独特の雰囲気に気おされながらも、とりあえず本題に入ることにした。
【弁護士婚活事情】の記事一覧
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