東京札幌物語 Vol.5

東京札幌物語:東京の男の子がなんぼのもの?「多摩ナンバー」って、そんなに偉いの?

「東京の男の人」と、偏に言ったって千差万別。


そんな折、眞希子から人数合わせで誘われた合コンで、出会った人がいるんです。

その人は、港区出身の眼科の男性。麻布小学校に通って、六本木ヒルズができる前から元麻布に住んでいるという、筋金入りの東京の男の人みたいです。東京の男の人って偏に言ったって、彼みたいな人もいるんだなぁってびっくりしました。

北海道の札幌出身というと、「おぉ都会だねぇ。最近は、転入超過数の都道府県は、東京23区以外だと札幌市と福岡市だから、なかなかに勢いがあるよね。」と。二階堂くんみたいに、変な優越感もなければ、包み込んでくれる優しさもあって、大人な人だなぁと思いました。

いけないと思いながらも、一度だけその人に誘われてごはんを食べに行ってしまったんですよね・・・


「多摩」ナンバーのプリウスは、どれほど偉いの?


恵比寿のアメリカ橋で待ち合わせました。ハザードをたいて、ゆっくりと路肩に寄せた「品川」ナンバーのアルファロメオの赤い車が、迎えに来てくれた彼でした。

「すてきな車ですね」と褒めると、彼は「中古で買った車だけどね」と言って笑いました。その正直なところにも好感を持ちました。



二階堂くんと、クリスマスに、けやき坂のイルミネーションを見に行ったとき、イルミネーション渋滞をしていたんです。そうしたら彼、何て言ったと思いますか?

「大宮」ナンバーや、「所沢」ナンバーの車を見て笑って言いました。「田舎者が来るから、混雑するんだよ。」って。

「多摩」ナンバーのプリウスは、どれほど偉いのでしょうか?

そのくせ、「品川」ナンバーのメルセデスが前についた途端、急に静かになっちゃった二階堂くん。最近は、二階堂くんの車の「多摩」ナンバーを見るだけで、何だか切ない気持ちになっちゃいます。

外から東京の男の子たちを見て、思うのです。

女性のマウンティングは辛辣だとか、よく言われていますけど、実は男性の方がもっと陰湿で、ちっぽけなマウンティングをし合っていてみったくないですよね。

みったくない、って北海道の方言で、みっともない、って意味です。

上京4年目。ぐんぐんと成長する希は、大宮ナンバーを馬鹿にしながら品川ナンバーに出会うとダンマリする二階堂の、みったくない(みっともない)東京のプライドに、辟易することが増えてきたよう。そんな折に出会った、品川ナンバーの男は、逆に謙虚で度量が広いと感じた希だが・・・
次週2月21日(日)更新予定。

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