本記事は、2016年に公開された記事の再掲です。当時の空気感も含めて、お楽しみください。
前回のあらすじ
関西出身のインターネット広告営業マンのシンゴ(28)は、社会人6年目で突如、東京転勤に。
慣れない東京の荒波に揉まれながらも、様々なトラブルを乗り越え、調子に乗ってベンチャー企業社長が開催するタワーマンションでのパーティへと繰り出す。一気に商談へ持ち込もうとした矢先に、なんと業界最大手の代理店マンにぴったりマークされ、そのまま酒飲み対決へと発展。酒に自信のあったシンゴだが、宿敵「溝口」に完敗を喫してしまう…。
前回東京☆ビギナーズ第8話:接待対決!大手広告代理店、必殺の「おしぼリボルバー」
男は一度は必ず、底なしのペインに打ちのめされる。
―シンゴさん…!シンゴさんってば!!!―
「ん…んー??」
同僚のアートディレクターの「理恵」の声で、シンゴは目を覚ました。
「ちょっと!シンゴさん!撮影の立ち合い中に寝ないでくださいよ、もう!!」
「あぁ…せやな。」
小和田常務から取り返した案件の、広告撮影の立ち合い(※)業務中に、こともあろうシンゴは居眠りをしていたのだ。
※制作作業自体は直接行わないが、現場が滞りなく業務が進むよう、監修を行うこと。
(前のトラブル対応の一件でせっかく見直してたのに、ここにきてどうしたのかしら…。)
―はぁ………。―
シンゴは長い溜息をついた。完全に、心ここにあらずといった様子だ。
それもそのはず。自分が自信をもって飛び込み営業をしにいったパーティで、完全にライバル会社にやられてしまったからである。
(少し目先の成長から離れてみる必要があるんかもやな…)
突然の失踪に、現場は大混乱!
「え!?シンゴさんがいない!?」
「そうなんすよ…。先週水曜日からずっといなくて、今日もう月曜日ですよ…。」
話しているのは、同僚の「理恵」と、シンゴと同じ営業部の後輩の「雄太」だ。
雄太はシンゴよりも二つ年下の営業マンだ。眼鏡をかけすこしパーマがかった黒髪に、かわいい色のシャツを着た『今風』の若手営業マンだ。
「こうなったら、もうアレしかないっすね…!」
「雄太、あなたまさか…!」
「ソーシャルストーキンッ!!」
「でたー!!」
そんなんで見つかるんかい!という突っ込みは置いといて、二人はあらゆるSNSで、シンゴの名前を検索しまくった。
「あ!!!いた!!!!!」
見つけたのは理恵だ。某SNSでシンゴのアカウントを発見した。
一体、シンゴはどこに行ってしまったのか!?
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