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#東京悪女伝説 Vol.2

その名はサエコ:凡庸な女よ、「足る」を知れ。

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凡庸な女よ。足るを知れ。


ここまで煽って申し訳ないですが、サエコは凡庸な娘でしたよ。肌のキメは細くて、まるで陶器のような肌は光を放っていましたが、特段、目が大きいわけでも、鼻が高いわけでもない。スタイルだって、156cmとどちらかといえば小柄。

私が近くにいるのに、そのゴルフサークルの男たちは、こちらを見向きもしないで、サエコの勧誘に必死でした。3人で取り囲んで、落としにかかっている。。。

呆然としている私に声をかけてきたのは、「JJ bis」の読者モデルでもあった目当てのゴルフサークルの女でした。その女に、「可愛い」「おしゃれ」と口説かれましたが、イケメンの先輩方に乞われて入る、という私の大学生活スタートのシナリオは木っ端微塵でした。



その代、サークルには総勢53名が入り、そのうち女性は25名。

目障りだったサエコの存在は気になりつつも、玉石混合の1女の中でも、ダントツに私が光っていると思っていました。なのに、ある日知らされた、2男による「1女格付け」。

ーアンちゃん2番だよ!1番は、なんと・・・サエコちゃん!ー

そう言った付属上がりのキン肉マンのような顔をした男の顔面を殴ってやろうかと思いました。

エリート気取りの男たちの残酷さたるや・・・秋元康になったかのように神の目線で女たちをランク付けするわけです。

今までは、常に姫だったので、こんな屈辱を味わったことがありません。高校時代、こうして辛酸を舐めていた、常に圏外だったアニメ大好きな腐女子たちの気持ちが少しわかった気がしました。

「たかだか2男の格付けなんて」と敗北感からふてくされたりもしましたが、追い打ちをかけたのが、外資系戦略コンサルへの内定が決まっている4男の出世頭、反町先輩と、慶應医学部で天上人とうたわれた竹之内先輩。

凡庸なサエコに、このサークル内のツートップが、アプローチしているというから、放っておけませんでした。


1年後、大学のミスコンには、サークル公認として、私が推薦されました。

あの女、十人並みの顔して、反町先輩とも竹之内先輩とも、デートしてたんですよ。どっちにも「今は誰とも付き合う気はないんです」って八方美人なこと言いながら。

凡庸な女のくせして、身の程わきまえず、することがエゲツないんですよ。だから、私、反町先輩と竹之内先輩に、ラウンドした帰りに、こっそり、本当のことを教えてあげたんです。

「サエコちゃん、二人とデートしてるなんて、モテモテですね。」って。

二人とも、真っ赤な顔して、怒っちゃって。プライド傷つけられたんでしょうね。サークル内のツートップがタッグを組んだら、1女の女ひとりサークルから追放することくらい朝飯前ですよね。


彼女には、「足るを知る」って言葉を贈ります。


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