遠く離れたふたりが一緒のテーブルを囲む!? 近未来の外食デートはこうなる!
■17:30 いよいよ、感動のご対面!
廉太郎は東京ミッドタウン内の『ボタニカ』、聖良は大阪の『ラ・フェット ひらまつ』の席に着いた。およそ400kmも離れた場所にいるけれど、もうすぐふたりはひとつのテーブルを囲むことになる。
スタッフ「いらっしゃいませ、本日はご来店ありがとうございます。今宵はSYNC DINNERをどうぞお楽しみください」
そして画面がONになり、ついにふたりが対面! 距離を超えた対面ディナーが幕を開けた。
廉太郎「久しぶり」
聖良「久しぶりだね。すごいね、これ……」
廉太郎「後ろの夜景、きれいだね。いい所にいるね」
嬉しそうに互いに手をふるふたり。特に聖良は彼の顔が見えてからずっと満面の笑みで、そのかわいらしい笑顔が廉太郎の顔を一層ほころばせる。
少し照れくさそうにもしているふたりのグラスに、シャンパンが同時に注がれる。
スタッフ「それでは乾杯をどうぞ」
ふたり「乾杯!」
その瞬間、まるでふたりが本当にグラスをぶつけたように“チン”という音が部屋に響いた。
聖良「え、びっくり!」
廉太郎「なんでやろな??」
不思議なからくりが楽しくて、何度も乾杯をくりかえす廉太郎と聖良。
乾杯を皮切りにふたりのための特別メニューが次々とサーブされていく。例えば魚料理は“サクサクの衣を纏った甘鯛のフリット 京野菜と南半球の野菜 ベアルネーズソース”。京都と南半球という遠く離れた素材がひとつの皿の上で調和するという、今日のふたりをイメージして作られた一品だ。
廉太郎「めっちゃ美味しいな」
聖良「うん」
料理の感想やお互いの近況を話し合うふたり。
廉太郎「なんか、今日は唇がきれいに見える」
恥ずかしがって、はにかみながら自分の口を隠す聖良。廉太郎は聖良が可愛くて仕方がない様子だ。
廉太郎「前髪をちょっと切った?」
聖良「ちょっと切りすぎちゃった。もう伸びてきたけど」
廉太郎「慣れてきたら普通に一緒におるみたいやな。東京と大阪なのにそんな感じせんな」
聖良「ほんまやね、なんだか廉太郎が画面から出てきそう。お〜い(笑)」
そう言いながら廉太郎に触るかのように画面に手を伸ばす聖良。