SPECIAL TALK Vol.2

~これからの世界における日本の戦い方。IT化が変えた働き方と、進化のスピード~

日本という価値ある国を売り出すビジネスモデルを

金丸:自国に対する自尊心をランキングしてみたら、日本は最下位だったそうです。

夏野:それはマスメディアも悪いと思います。

金丸:他の国から見たら、こんなにいい国はないでしょう。アメリカ人で東海岸出身の知人に日本に来た理由を尋ねたら、「自由の国と言うけれど、日本のほうがよっぽど自由でアグレッシブ。アメリカは保守的だ」なんて言っていました。海外に行けば日本のアニメーションは絶賛されています。スイスへ旅行中に漫画の「ワンピース」と「NARUTO」の大ファンだという現地の美人に、流暢な日本語で「憧れの国」と言われたこともありました。

夏野:日本のカルチャーはもっと世界に受けるはずです。ですが、情報発信のやり方が本当に下手。クールジャパン戦略に関してもビジネスモデルの仕掛けをもっと練らないといけないと思っています。

金丸:「グローバル・スタンダード」というから、中国製品と戦わなくてはいけません。だったら「ジャパニーズ・スタンダード」を世界に広めるほうがいいのではないでしょうか。

夏野:ガラパゴス製品をどんどん作れっていうことですね。

金丸:かつてニンテンドーもそうでした。日本の技術はそれくらいの価値があるはずです。どこの国でも「メイド・イン・ジャパン」のニーズはすごいものがあります。

夏野:確かにマーケティングをやりすぎると、ヒット商品は作れません。

金丸:そうでしょうね。

夏野:消費者は新しいものはとりあえず否定します。iPhoneも、発売前の市場調査では全面タッチパネルの携帯は嫌だ、という反応が大半でした。ところが、市場に出て、実際に製品を見てふれて初めて、いいなとなるんです。iモードもまったく同じでした。だから、いい意味で確信犯的になんでもトライしてもらいたいですよね。そして、日本は本当に食が豊かです。これは大きな資源です。美味い店がこんなに密集している都市は東京くらいですよ。日本人は舌が肥えているから、オーディエンスのレベルが高い。そのレベルの中でレストランが切磋琢磨しています。僕は美味しいお店は全部行ってやろうと思っているのですが、一生かけても無理だろうな、と。

金丸:ちょっと歩いたら、すぐにいい店にあたりますからね。

夏野:新規開拓もしたいし、馴染みの店で旬のものも食べたいし、毎日どの店に行こうか本当に迷っています。娘がいるのですが、彼女たちにも美味しいお店に連れていってくれる男性と付き合いなさい、と徹底教育をしています。

金丸:東京カレンダー的なまとめをありがとうございます(笑) 本日はありがとうございました。

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