2015年上半期の独立開業シェフまとめ Vol.2

2015年上半期の話題をさらった、予約困難な和食の新店3選

日本が誇る世界の“WASYOKU”。本陣営であるTOKYOに、不穏な動きが……! 元来の和食にプラスαの意識高い系、ネオWASYOKUが続々勝負を仕掛けてきている。

いったい全体いかなるネオWASYOKUが、元来の和食を脅かしているのか。それを探るため、オープンから半年以上の新進気鋭3店を精査しピックアップ。「こんなの初めて♥」な食経験、ぜひ体験されたい。

左からロシア産バフンウニ¥10,000(時価)、ロシア産バフンウニ¥5,000(時価)、函館産ムラサキウニ¥20,000(時価)

築地場外の隠れデートはウニの食べ比べができる魅惑の『海栗BAR Kai 一章』へ

手始めに、“ウニ専門店”というパンチの効いたお店から紹介しよう。

築地場外の奥まった場所にある、河岸の倉庫を改装した『海栗BAR Kai 一章』。

扉を開けると、1階は艶やかな壁の紅色が印象的な鮨カウンター席、2階はゴージャスなワインセラーやソファが並ぶバーラウンジ、そして3階は屋根裏の座敷、という築地らしからぬ空間が出迎えてくれる。

築地に3店舗展開する鮨の名店『秀徳』の総板長である柳博史氏によるウニ料理は20種類以上。常時3種類以上のウニをそろえ、食べ比べメニューも用意する。赤酢のしゃりで握る小ぶりな鮨は、絶品のひとこと。

柳親方の名刺には「寿司を握って、みんなを幸せにするエンターティナー」と書かれ、一本気で粋な彼のもとに今宵も多くの予約が殺到している。ちなみに彼のダボシャツのめくるめく(ド派手な)バリエーションを拝むのも、目当てのひとつ。

彼自身の選曲による洒脱な音楽と贅沢なウニ料理を肴にバー利用だけ、という来店もOKだ。変化球の面白さと本物志向の上質さを併せ持った店を使い熟してこそ、粋な大人と呼べる。

極上のネタが銀座のおよそ半額というのも嬉しい限り。日本酒は、鮨に合う淡麗辛口を中心に常時30種類以上をそろえる

ウニのムース¥1,200。コースにも登場する人気NO.1

細部にまでこだわった内装

二階に上がれば、そこにはエロいBarが……!

ひとりでもデートでもしっぽり飲める『小野木』

次は、ウニから一転、カウンターで一人酒を楽しむなら、ここで決まり。メニューが直球、ネオWASYOKUの『小野木』である。

天現寺からほど近い場所に誕生したここは、渋谷の『食幹』で創業から腕を振るってきた料理人・小野木茂樹氏の名を冠した一軒。カウンターをはじめ随所に上質な木々を用いた造りで、寛げる雰囲気に4時間いる客も珍しくないとか。

今年発掘した、数あるカウンター和食の中でも出色といえる、料理の数々。例えば『海老「び」の炊き込み飯』、『長いもとアワビの具ランタン』、そして肉屋も瞠目の『肉盛り合わせ』。

そんな料理が日替わりで並ぶ。フルーツの白和え、塩トマトのさっぱりジュレなどおすすめを盛り合わせた前菜と小野木氏とのトークも弾む特等席に陣取れば延々と飲めてしまいそうだ。

自由闊達な小野木氏の発想と手練な技術が融合する、奇をてらわない、本当に旨いネオWASYOKUであるといえるだろう。

左.オマール海老を丸ごと使用し、ごはんには蟹の身を入れて車海老の出汁で炊いた渾身の品。海老「び」の炊き込み飯¥3,564 右.前菜いろいろスペシャル盛り ハーフサイズ¥1,566

個室に通ずる別の扉も用意されている

※こちらの店舗は、現在『しずおか 月よみ庵』に店名を変更されております。掲載情報は変更前の情報です。
 詳しくは下記レストラン情報をご確認ください。

四恩 ローズ 橙 甲州2014 ボトル¥4,200、ファンキーシャトー ラ プリミエール フォア カベルネス2012 ボトル¥9,900、王祿¥1,100、日置桜¥1,000、酔右衛門¥1,100

信頼の置ける和酒のセレクト!『月よみ庵』

日本酒ラバーが2015年に歓喜した新店は、こちら『月よみ庵』。

日本酒の品ぞろえは幅を広げ、料理はコースに加えてアラカルトでも展開。コース一本の本店よりもカジュアルなスタイルだが、神楽坂にふさわしい大人の情緒あるたたずまいだ。

さらに、ネオWASYOKU的要素としてレアワインも加わった。グラスではなく陶器で供することで、味わいにふくらみが増すという。上質な器に選りすぐりの銘酒を注げば、しっとりと上質なひとときが約束される。

正統派和食に様々なレアワイン、そして日本酒を合わせる。和食、日本酒、ワインのトリプルミックスこそが、ネオWASYOKUたる由縁。

そのアプローチには、ワインと日本酒のこんなマリアージュもあったのかと翻弄されること間違いなし。

季節ごとに入荷する日本酒やワインは一期一会。訪れる度に、違った楽しみが待っている。

客席は広々と贅沢に配置

大山鶏と天王寺蕪の香草煮¥1,100

※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。

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